Angle社の”火種”が燃え盛るEvaluate Vantage(2022.09.29)より


  • [公開日]2022.10.14
  • [最終更新日]2022.10.14

※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。

 

臨床における成功により、同グループのリキッドバイオプシーは乳がんから卵巣がんへと拡大する可能性がある。

英Angle社は、乳がんにおける承認を取得後、卵巣がんに注力している。リキッドバイオプシーのコンセプトに対する同社の珍しいアプローチであるParsortixのデータは、この新しい領域に拡大するチャンスを示唆するものである。

しかし、卵巣がんの市場はかなり小規模なもので、例えば米Grail社のGalleriのような複数のがんを対象としたスクリーニングとは異なり、売上はそれほど伸びないことが予想される。このためか、Angle社の株価は今回のニュースを受けてわずか1%しか上昇せず、ロンドン証券取引所への上場のチャンス到来とは言い難い。

競争力
Ember試験において、被験者の血液中に存在する腫瘍細胞を採取するためにParsortixが使用された。その後Angle社のLandscape+ Ovarian assayを用いて、医師による最初のがんの予測、患者の年齢と合わせて、がんのリスクが判定された。その後、被験者に外科的組織生検を実施し、確定診断が行われた。

この方法は、医師の最初の評価のみに比べ優れており、Angle社は最高レベルの感度と特異度を誇っているという。ベレンベルグ銀行のアナリストは、このデータがAngle社の競合他社の平均感度90〜95%、特異度50〜80%の検査と比較して「非常に有利だ」と述べている。

他のリキッドバイオプシーに関する先行研究を見ると、米Exact Sciences社は実際Angle社よりも優れた検査試薬を持っている可能性があるが、以下の試験間の比較表は非常に大まかな参考値であることは留意すべきである。

上記の表で試験を比較する際に、注意すべき重要な違いがある。まず、Ember試験は特に卵巣がんに焦点を当て、骨盤内腫瘤のある患者を登録し、悪性かどうかを検出するものであった。Galleriを使ったCCGA試験では、確定診断の有無にかかわらずあらゆるがんの患者を登録し、Exact Sciences社の試験では、固形がんと診断された患者、または画像診断により診断が疑われる患者を登録した。

第二に、Exact Sciences社のアッセイのデータは、その研究に参加した患者の一部のトレーニングセットとバリデーションセットの組み合わせたものである。Grail社のデータも、より大規模な試験の一部を切り出したものであった。

それでもAngle社のデータは十分に有望で、同社はLandscape+ Ovarian assayを販売するための「具体的な計画の最終化」を進めており、おそらく薬事未承認検査として販売されると思われる。しかし、この製品が世界を揺るがすような大金を生み出すことはないかもしれない。ベレンベルグ銀行は、Angle社の2026年の卵巣がん検査の売上に関して、乳がんの2900万ポンドに対し1400万ポンド(1520万ドル)に過ぎないと見ている。

■出典
ember-burns-bright-angle

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