目次
<一般的な説明>
試験概要
本治験は、BRCA(ぶらか、ぶらっか)とよばれる遺伝子に変異を有する転移性乳がん患者を対象に、オラパリブ(リムパーザ)を単独で使用したときの有効性及び安全性を、医師が選択したカペシタビン(ゼローダ)、ビノレルビン(ナルベリン)又はエルブリン(ハラヴェン)による標準治療と比較して評価する第3相臨床試験です。治験に登録されるまではどちらの薬剤を使用するかはわかりませんが、使用する際、どちらの薬剤を使用するかはわかります。治験薬剤の説明
がん細胞のDNAが損傷した時に修復する1つの酵素にPARP(ポリADPポリメラーゼ)というたんぱく質があります。このたんぱく質の機能を阻害(抑制する)ことにより、がん細胞のDNAが損傷した時に修復できず、がん細胞を死滅することができると言われています。2014年には特定の卵巣がんに対して米国やEUにて承認されました。 一方、がん細胞のDNAが損傷したときにBRCAという遺伝子が関与してDNAを修復します。がん細胞のBRCAが変異(異常)であると修復機能が働きません。しかしながら、PARPという酵素はDNAを修復できるタンパク質であり、BRCA遺伝子の代わりにがん細胞のDNAを修復してしまいます。オラパリブ(リムパーザ)はPARPを阻害する機能があるため、特にBRCA遺伝子に異常がある方に効果があると期待されています。主な参加条件等
この試験の対象となりうる方
- 18歳以上の方
- BRCA1 又はBRCA2 の変異が認められる方
- 組織診又は細胞診により乳がんが確認されている患者で、転移を有する方
- 術後補助療法又は転移病変に対する治療としてアントラサイクリン系(ドキソルビシンやエピルビシン)及びタキサン系(タキソールなど)の投与を受けたことのある方
- 進行乳がんに対してプラチナ系製剤(シスプラチン又はパラプラチンなど)の投与を受けている患者は、プラチナ製剤による化学療法中に病勢進行が認められなかった方。
- ER 及び/又はPgR 陽性病変を有する患者(ホルモン受容体陽性患者)は、内分泌療法による治療を一次治療以上受けて病勢が進行しているか、又は治療担当医師により内分泌療法が不適切であると考えられた病変を有している方。
- パフォーマンスステータスが0~1の方
この試験の対象とならない方
- HER2 陽性病変を有する方
- 転移性病変に対して三次治療以上の細胞傷害性化学療法(ホルモン療法や分子標的薬療法を除く、ごく一般的な抗がん剤治療)を受けている方
- 未治療または非制御の脳転移を有する方
- PARP阻害薬を用いた治療を受けたことのある方
臨床試験公開情報
JAPIC No : JapicCTI-142527(最終更新日2015/11/18)詳細はコチラ ClinicalTrials.gov Identifier : NCT02000622 (最終更新日2015/7/20)詳細はコチラ治験概要
生殖細胞系BRCA1/2 変異を有する転移性乳癌患者を対象としてオラパリブ(リムパーザ)単剤療法と医師が選択した化学療法の有効性と安全性を比較検討する非盲検無作為化対照比較多施設共同第3相試験;OlympiAD
対象がん種 | 転移性乳がん、BRCA1/2遺伝子変異 |
フェーズ | P3 |
実施期間 | 214年3月~2016年5月 |
実施国 | 米国、ブルガリア、フランス、ハンガリ、イタリア、日本、大韓民国、メキシコ、ペルー、ルーマニア、スペイン、スイス、台湾、トルコ、英国 |
目標症例 | 310 |
状況 | 募集終了 |
手法 | ランダム化、オープンラベル |
被験薬名 | 一般名:オラパリブ、 商品名:リムパーザ |
種類 | PARP阻害薬 |
投与経路 | 経口 |