悪性黒色腫(メラノーマ)の新薬ビニメチニブについて

皮膚の癌である悪性黒色腫(メラノーマ)は皮膚の癌の中で最も悪性度が高い、つまり死の危険性が高い癌と考えられています。

悪性黒色腫(メラノーマ)を新規に発症する患者さんの数は1年間で1300~1400人と報告されており、この数は年々増加しております。

悪性黒色腫(メラノーマ)発症の一番の原因は紫外線であり、この影響を最も受けるのが白人です。国内における悪性黒色腫(メラノーマ)発症率が10万人あたり1人から2人程度であるのに対して、豪州では10万人あたり数十人の発症率の都市があることからも、悪性黒色腫(メラノーマ)を発症する人種は白人であることが分かります。

死の危険性が高い悪性黒色腫(メラノーマ)ですが、早期発見により手術が可能な場合には比較的予後が良好です。また、BRAF遺伝子変異と言われる遺伝子の異常が認められていない患者さんに対してはオプジーボ(ニボルマブ)などがん免疫治療の新薬が開発され、BRAF遺伝子のある患者さんに対してはゼルボラフ(ベムラフェニブ)などのBRAF阻害剤が開発されたことで治療成績が向上しております。

問題はNRAS遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)です。悪性黒色腫(メラノーマ)を1年間で発症する1300~1400人の内、約7から10%の患者さんにはNRAS遺伝子変異の異常があることが判っております。

NRAS遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬として特有なものは現在のところなく、ダカルバジンをはじめとして既存の治療薬が投与されているのが現状ですが、その治療成績はけっして良好とはいえません。特に、オプジーボ(ニボルマブ)などのがん免疫治療に失敗した場合には、次に打つ手がなかったのです。MEK阻害剤である

ビニメチニブ

が登場するまでは。MEK阻害剤であるビニメチニブは、NRAS遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)の治療薬としてダカルバジンと比べてPFSが良好である可能性が示唆され、新しい治療選択薬として期待されています。

ビニメチニブの薬剤概要

製品名

未定

一般名

ビニメチニブ(binimetinib)

用法用量

未定(ビニメチニブとして1回45mgを1日2回経口投与する)

効能効果

未定(NRAS遺伝子変異を有する根治切除不能な悪性黒色腫)

主な副作用

未定(高血圧、貧血、好中球減少症)

製造承認日

未定

ビニメチニブの作用機序

MEKの活性化を阻害し、がん細胞の増殖を抑制します。

ビニメチニブの最新情報

1)Binimetinib versus dacarbazine in patients with advanced NRAS-mutant melanoma (NEMO): a multicentre, open-label, randomised, phase 3 trial

概要

未治療もしくは免疫治療薬後に進行再発したNRAS遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して、ビニメチニブを投与する群、ダカルバジンを投与する群に分けてPFSを検証した第三相試験。その結果、ビニメチニブはダカルバジンよりも有意にPFSを延長することが分かった。

出典

The Lancet Oncology

配信日

2017年3月8日

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ビニメチニブの治験情報

1)Study Comparing Combination of LGX818 Plus MEK162 Versus Vemurafenib and LGX818 Monotherapy in BRAF Mutant Melanoma (COLUMBUS)

治験の概要

手術の適応のないBRAFV600遺伝子変異のある悪性黒色腫(メラノーマ)患者に対して、エンコラフェニブ単剤療法、ベムラフェニブ単剤療法、エンコラフェニブとビニメチニブ併用療法を投与して、主要評価項目であるPFSを検証する治験

治験の期限

2016年9月

参考資料

1)アレイ・バイオファーマプレスリリース
2)小野薬品工業株式会社プレスリリース
3)科学的根拠に基づく皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン


この記事に利益相反はありません。

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