非小細胞肺癌の新薬バベンシオ(アベルマブ)とは

非小細胞肺癌のゴールデンスタンダードとなりつつある免疫チェックポイント阻害剤。2017年1月現在、国内ではオプジーボ(ニボルマブ)、キイトルーダ(ペムブロリズマブ)の2剤がステージⅣ非小細胞肺癌の効能で製造販売承認されています。

これら2製品に加えて抗PD-L1抗体薬であるテンセントリク(アテゾリズマブ)、デュルバルマブ、そして

バベンシオ(アベルマブ)

が今後次々と製品販売承認の予定です。これら5製品は抗PD-1、抗PD-L1と標的とするターゲットは他の製品と少し違いますが、癌細胞を退治する作用機序はどれも同じため、5剤の有効性もそれに準ずると考えられていました。

しかし、非小細胞肺癌の一次治療薬として抗PD-1抗体薬であるオプジーボ単剤がその有効性を証明できなかったのに対して、同じ抗PD-1抗体薬キイトルーダが単剤でその有効性を証明するなど同じ抗PD-1抗体薬でも有効性が違う可能性が出てきました。

この違いが生じた理由は有効性を検証した試験の患者背景が異なるためなのか?それとも同じ抗PD-1抗体薬でも製剤の構造に違いがあるためなのか?その理由は現在のところ分かりかねますが、少なくともバベンシオには他の4製品にない製剤の構造に違いがあります。その特徴とは、

ADCC活性

です。ADCC活性とはバベンシオが癌細胞に結合することで、マクロファージ、NK(ナチュラルキラー)細胞などのエフェクター細胞が、バベンシオとは違った作用機序で癌細胞を退治する物質を放出することです。

アベルマブ

国立がん研究センター

つまり、バベンシオは一粒で二度美味しいではないですが一剤で二種類の効果が期待できる免疫チェックポイント阻害剤なのです。

バベンシオ(アベルマブ)の添付文書情報(未定)

製品名

バベンシオ

一般名

アベルマブ(avelumab)

用法用量

未定(アベルマブとして 10mg/kgを2週間に1回投与する)

効能効果

未定(非小細胞肺癌)

主な副作用

未定(疲労、注射部位反応、リンパ球減少、血中クレアチンホスホキナーゼ上昇、アミノトランスフェラーゼ上昇、血中コレステロール上昇)

製造承認日

・2016年11月29日(米国)

バベンシオ(アベルマブ)の作用機序

アベルマブ
バベンシオはPD-L1の作用を抑制することで、T細胞と適応免疫系を活性化します。また、Fc領域を改変せず維持することで自然免疫系に働きかけ、抗体依存性細胞媒介性細胞傷害(ADCC)を誘発するとも考えられています。

バベンシオ(アベルマブ)の最新文献

1)Antibody-Dependent Cellular Cytotoxicity Activity of a Novel Anti–PD-L1 Antibody Avelumab (MSB0010718C) on Human Tumor Cells

概要

完全ヒト型抗PD-L1 IgG1モノクローナル抗体であるバベンシオが他の抗PD-1/PD-L1抗体薬とは違い、ADCC(抗体依存性細胞傷害)活性を有することを証明した試験。ADCC活性とは、細胞や病原体に抗体が結合すると、その抗体がマクロファージやNK細胞といった免疫細胞を呼び寄せ、その抗体が結合している細胞や病原体を殺傷する力のことです。

出典

Cancer Immunology Research

配信日

2015年10月

バベンシオ(アベルマブ)の口コミ

医師のコメント

その他医療関係者のコメント

バベンシオ(アベルマブ)の治験情報

1)Avelumab in First-line Non-Small Cell Lung Cancer (JAVELIN Lung 100)

概要

ステージⅣPD-L1陽性非小細胞肺癌患者の一次治療としてバベンシオ単剤療法、又はプラチナ系製剤併用療法を投与して、そのPFS(無増悪生存期間)を比較検証する治験

治験の期限

2023年6月

2)Avelumab in Non-Small Cell Lung Cancer (JAVELIN Lung 200)

概要

プラチナ系ベースのタブレット療法を受けた後に症状が進行したPD-L1陽性非小細胞肺癌患者に対してバベンシオ単剤療法、又はドセタキセル単剤療法を投与してOS(全生存期間)を検証する治験

治験の期限

2023年1月

参照
1)ファイザー株式会社プレスリリース
2)肺癌診療ガイドライン2016年版
3)抗体医薬品 ~最先端の治療薬~


この記事に利益相反はありません。

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