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転移性去勢抵抗性前立腺がんにおける初回治療としてのターゼナ+イクスタンジ併用療法の最終解析 ASCO GU 2025
[公開日] 2025.03.03[最終更新日] 2025.02.27
2025年2月13日-2月15日、米国サンフランシスコで開催された全米臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO-GU)にて、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)を対象としたPARP阻害剤ターゼナ(一般名:タラゾパリブ)+アンドロゲン受容体シグナル伝達阻害剤イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)併用療法の有効性・安全性を検討した第3相TALAPRO-2試験コホート1の全生存期間(OS)の最終データ等が発表された。
TALAPRO-2試験は、mCRPC患者に対する初回治療として、ターゼナ+イクスタンジ併用療法とイクスタンジ単剤療法を比較した試験。コホート1では、相同組み換え関連遺伝子異常を有する169人、異常がないまたは不明の636人の合計805人(併用群402人、単剤群403人)が登録された。既に主要評価項目である画像評価による無増悪生存期間(rPFS)に関しては、併用群で有意に改善されたことが発表されていた。
追跡期間中央値が併用群で52.5ヵ月、単剤群で53.0ヵ月の時点において、OSの中央値はそれぞれ45.8カ月(95%信頼区間:39.4-50.8)と37.0ヵ月(95%信頼区間:34.1-40.4)であり、ハザード比は0.796(95%信頼区間:0.661-0.958、p=0.0155)で、併用群における有意な延長効果が認められた。
事前に規定されたサブ解析では、HRR遺伝子異常を有する症例において、特にOSの改善効果が顕著に認められた(ハザード比:0.542、95%信頼区間:0.361-0.814)。ただし、BRCA変異が検出されない症例(ハザード比:0.749、95%信頼区間:0.582-0.963)やHRR遺伝子異常がないまたは不明の症例(ハザード比:0.782、95%信頼区間:0.582-1.050)においても、OSが改善する傾向が見られた。
rPFSのアップデートされたデータも発表され、中央値は併用群の33.1ヵ月に対して単剤群で19.5ヵ月(ハザード比:0.667、95%信頼区間:0.551-0.807、p<0.0001)であり、rPFSの改善効果の持続が認められた。
最もよくみられたグレード3以上の治療関連有害事象(TEAE)は、貧血(49%)と好中球減少症(19%)であった。有害事象は概ね管理可能であり、ターゼナ群においては86名(22%)がTEAEのために投薬を中止した。
以上の結果から、mCRPCに対する初回治療としてのターゼナ+イクスタンジ併用療法は、HRR遺伝子異常の有無にかかわらず、rPFSとOSを有意に改善することが示された。
参照元:
Final overall survival (OS) with talazoparib (TALA) + enzalutamide (ENZA) as first-line treatment in unselected patients with metastatic castration-resistant prostate cancer (mCRPC) in the phase 3 TALAPRO-2 trial(ASCO-GU 2025)
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