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筋層浸潤性膀胱がんにおける術前イミフィンジ+化学療法併用療法および術後イミフィンジ単剤療法の追加解析 ASCO GU 2025
[公開日] 2025.02.27[最終更新日] 2025.02.27
2025年2月13日-2月15日、米国サンフランシスコで開催された全米臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO-GU)にて、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)の周術期療法におけるイミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)追加の有効性・安全性を評価した第3相NIAGARA試験の追加の解析結果が発表された。
NIAGARA試験は、根治的膀胱摘除術を予定しているシスプラチン適格MIBC(cT2-T4aN0/1M0)患者を対象に、術前化学療法(シスプラチン+ゲムシタビン)+イミフィンジおよび術後にイミフィンジを投与する群(533人)と、術前化学療法を投与する対照群(530人)に1:1にランダム化し、主要評価項目として無イベント生存率(EFS)と病理学的完全奏効(pCR)を評価した試験。既にEFSおよび副次評価項目である全生存期間(OS)に関して、イミフィンジ群で有意に改善することが示されていた。
今回は、無転移生存期間(MFS)、および病理学的奏効別の成績についての探索的解析結果が発表された。
まずMFSに関しては、両群のハザード比が0.67(95%信頼区間:0.54-0.83、P<0.001)であり、イミフィンジ群で遠隔転移または死亡のリスクが33%減少した。
pCRの達成率は、イミフィンジ群の37%に対して対象群で28%、またpCRを達成した症例では、pCRを達成しなかった症例と比較してEFSおよびOSが良好であった。
pCRを達成した症例における24ヵ月EFS率は、イミフィンジ群の92.1%に対して対照群で85.8%(ハザード比:0.58、95%信頼区間:0.332-0.999)、また24ヵ月OS率は、イミフィンジ群の95.5%に対して対照群で91.1%であった(ハザード比:0.72、95%信頼区間:0.367-1.426)。一方で、pCRを達成なかった症例における24ヵ月EFS率は、イミフィンジ群の53.3%に対して対照群で49.5%(ハザード比:0.77、95%信頼区間:0.631-0.948)、また24ヵ月OS率は、イミフィンジ群の74.1%に対して対照群で68.9%であった(ハザード比:0.84、95%信頼区間:0.660-1.068)。
免疫介在性の有害事象(irAE)は、イミフィンジ群の21%に対して対照群で3%で、大部分がグレード1/2であった。データカットオフ時点で、すべてのirAEが解消していた割合は、イミフィンジ群の41%に対して対照群で44%であった。最も一般的なirAEは、甲状腺機能低下症がイミフィンジ群の10%に対して対照群で1%、甲状腺機能亢進症がイミフィンジ群の3%に対して対照群で0.8%であった。
以上の結果は、MIBCの周術期治療におけるイミフィンジの追加により、転移および再発を軽減し、また病理学的奏効にかかわらずEFSおよびOSの改善効果があることを示しており、新しい標準治療としての有用性を支持するデータとなった。
参照元:
Additional efficacy and safety outcomes and an exploratory analysis of the impact of pathological complete response (pCR) on long-term outcomes from NIAGARA.(ASCO-GU 2025)
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