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転移性去勢抵抗性前立腺がんにおける、イクスタンジ+メブロメトスタット併用療法の検討 ASCO GU 2025
[公開日] 2025.02.26[最終更新日] 2025.02.26
2025年2月13日-2月15日、米国サンフランシスコで開催された全米臨床腫瘍学会泌尿生殖器がんシンポジウム(ASCO-GU)にて、転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対するアンドロゲン受容体阻害剤イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)+EZH2阻害剤メブロメトスタットの併用療法の結果が発表された。
同試験は、ザイティガ(一般名:アビラテロン)と1回以下の化学療法治療歴のあるmCRPCを対象に、アンドロゲン除去療法中のイクスタンジ+メブロメトスタット併用療法の薬物動態・有効性・安全性をイクスタンジ単剤と比較した第 1/2 相試験である。
2024年9月2日時点で、81人(併用療法群41人、対照群40人)が解析対象となった。患者背景は、年齢中央値が併用群で70歳(48-86)、対照群で71.5歳(50-86)、併用群の43.9%と対象群の45.0%がタキサン療法治療歴を有していた。
追跡期間中央値9.6(3.1-14.5)ヵ月時点において、画像学的無増悪生存期間(rPFS)の中央値は、併用療法群で14.3ヵ月、対照群で6.2ヵ月であった(ハザード比=0.51、90%信頼区間:0.28-0.95)。ベースラインで測定可能病変を有していた患者(併用群15人、対照群14人)における奏効率は、併用療法群で26.7%(7.8-55.1)、対照群で14.3%(1.8-42.8)であった。
安全性に関しては、最も多く見られた治療関連有害事象(TEAE)は、併用群では下痢(78.0%)、食欲減退(58.5%)、味覚障害(58.5%)であり、対照群では無力状態(42.5%)、吐き気(25.0%)、貧血(22.5%)であった。グレード3以上のTEAEは、併用群で53.7%(下痢、好中球減少症、敗血症)、対照群の42.5%で観察された。なお、両群において治療関連死亡はなかった。
空腹時にメブロメトスタット 1250mgを投与した場合と、食事とともに875mgを投与した場合では、血中濃度は同等であった。ただし、食事とともに875mgを投与する方が空腹時に1250mgを投与する場合と比較して、安全性プロファイルが改善されたことから、今後の第3相試験におけるメブロメトスタットの投与量は、食事と同時に875mgを投与することが推奨された。
以上の結果から、アンドロゲン除去治療中のmCRPC 患者において、イクスタンジ+メブロメトスタット併用療法による転帰の改善と管理可能な安全性プロファイルが示され、更なる研究が期待される。
参照元:
Mevrometostat (PF-06821497), an enhancer of zeste homolog 2 (EZH2) inhibitor, in combination with enzalutamide in patients with metastatic castration-resistant prostate cancer (mCRPC): A randomized dose-expansion study.(ASCO-GU 2025)
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