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切除可能非小細胞肺がんにおける術前オプジーボ+化学療法、5年追跡データで全生存期間を有意に改善 ASCO 2025

[公開日] 2025.06.20[最終更新日] 2025.06.16

2025年5月30日-6月3日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)にて、切除可能非小細胞肺がんにおける術前オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+化学療法の有効性・安全性を検証した第3相Checkmate 816試験(NCT02998528)の5年追跡後の結果が発表された。

試験デザイン

対象

ステージIBからIIIAの切除可能な非小細胞肺がん

治療法(レジメン)

試験群:術前に3サイクルのオプジーボ+化学療法(n=179) 対照群:術前に3サイクルの化学療法(n=179)

評価項目

主要評価項目 無イベント生存期間(EFS)、病理学的完全奏効(pCR)割合 主要副次評価項目 全生存期間(OS)など

結果

既に術前のオプジーボ+化学療法が化学療法単剤と比較して、主要評価項目であるEFSとpCR達成割合を改善することが示されていた。今回は5年追跡後のOSの結果が報告された。

有効性

追跡期間中央値68ヶ月において、OSの中央値は試験群で未到達に対して対照群で73.7ヶ月(47.3ヶ月-NR)であり、試験群で有意な改善が認められた(ハザード比:0.72、95%信頼区間:0.523-0.998、p=0.0479)。また、5年時点での全生存率は、試験群で65%に対して対照群で55%であった。 ベースラインで血中循環腫瘍DNA (ctDNA)陽性の患者において、術前治療後のctDNA消失率は、試験群で56%に対して対照群で35%であり、ctDNAが消失した患者は、消失しなかった患者と比較して、より強いOSの改善傾向を示した。 pCRを達成した患者は、達成しなかった患者と比較してOSの持続的な改善が認められ、pCR達成患者の5年生存率は95%であったのに対して、非達成者では56%であった。 また、主要評価項目であるEFSも引き続き試験群における有意な改善が認められた(ハザード比:0.68、95%信頼区間:0.51-0.91)。

安全性

長期追跡後も、新たな安全性シグナルは認められなかった。

結論

同試験は、切除可能な固形がんに対する術前療法のみの免疫療法として、5年追跡時点で有意なOSの改善を示した唯一の第3相試験である。 肺がんの周術期治療においては、既に術前と術後の両方に免疫療法を実施する治療選択肢も導入されているため、術前に加えて術後の介入も必要な症例の見極めが、これからの実臨床において重要になってくる。 なお同試験結果は、学会発表と同時に、海外雑誌「The New England Journal of Medicine」に掲載された。 参照元: Overall survival with neoadjuvant nivolumab (NIVO) + chemotherapy (chemo) in patients with resectable NSCLC in CheckMate 816.(ASCO 2025)
ニュース 肺がん オプジーボニボルマブ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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