※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。
英アストラゼネカ社のDuo-O試験は、BRCA陽性患者を除外することが、卵巣がんにおけるイミフィンジの明らかな成功のカギを握る可能性を示唆している。 アストラゼネカ社 は、これまでのところ抗 PD-(L)1抗体薬が効きにくいとされている卵巣がんにおいて、イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)の良好な結果を導き出したようだ。このデータは、4月に発表されたアバスチン(一般名:ベバシズマブ)/イミフィンジ/リムパーザ(一般名:オラパリブ)の3剤併用によるDuo-O試験に関するもので、ASCOの注目演題として発表されたばかりだ。 この結果は、他のPD-(L)1/PARP阻害剤の組み合わせが失敗している中で、明らかに成功を収めたという点で注目されている。その理由の一つは、アバスチン/リムパーザの投与で効果が見込めるBRCA遺伝子変異陽性患者をアストラゼネカ社が除外した点にあるかもしれない。それでも、イミフィンジの貢献度、効果の幅、無増悪生存期間(PFS)のエンドポイントの頑健性については疑問が残るだろう。 卵巣がんにおけるPFSの妥当性については議論が続いており、PFSで臨床的なメリットがあっても、全生存期間で明らかに良くない結果が出るケースもある。例えば、英GSK社のPARP阻害剤であるゼジューラ(一般名:ニラパリブ)の卵巣がん維持療法での適用に制限がかけられたことなどがあげられる。 複雑な設定 Duo-O試験は複雑な3群(コホート)デザインで、2つの設定からなっていた。アクティブコホートは、初回治療としての化学療法/アバスチン/イミフィンジに続いて、維持療法としてアバスチン/イミフィンジに、リムパーザを併用した群としない群の2つであり、化学療法/アバスチンの初回治療に続いてアバスチン単独の維持を行うコントロールコホートと比較された。 さらに重要なことは、この試験にはBRCA遺伝子変異陰性患者のみが登録され、全例におけるPFSと、BRCA遺伝子変異陰性かつ他のHRD変異が陽性である場合のPFS、という2つの主要評価項目に分けて評価されたことである。 良いニュースは、アバスチン/イミフィンジ/リムパーザの3剤併用維持療法がp<0.0001で両方の主要評価項目を達成したことだ。一方悪い点は、アバスチン/イミフィンジがコントロールコホートに対して全く優位性を示さなかったことである。 生存曲線はもう一つの特徴を示している。HRD遺伝子変異陽性症例に対する効果が全例の効果に寄与していると考えられていたが、実際には、Duo-O試験におけるBRCA陰性患者の約60%を占めるHRD陰性症例においても、3剤併用療法はコントロールコホートに勝っていた。

■出典
asco-2023-role-immuno-oncology-ovarian-cancer