※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。
HPV陰性疾患における有望なデータは、キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)を打ち負かす可能性があり、企業グループは極めて重要な計画を立てている。 米Bicara Therapeutics社は、EGFRとTGF-βの両方に作用する二重特異性抗体BCA101の有望な開発初期データを背景に、3月に1億800万ドルを調達した。頭頸部がんで強力な奏効が確認され、治験が目前に迫っていることから、同グループはすでに次の資金調達について考えている。 再発・転移性がんを対象にBCA101とキイトルーダを併用する進行中の第1/1b相試験において、31症例で48%の全奏効率(ORR)が得られたことが、本日(6月5日)、Asco(米国臨床腫瘍学会)で発表された。この結果は、ヒトパピローマウイルスが関与していないがん患者のコホートにおいて、1人の完全寛解を含む65%の驚くべき奏効率によってもたらされた。このタイプの腫瘍は通常、米メルク社の免疫チェックポイント阻害剤による単剤治療では効果が低い。 HPV陰性患者の初回治療を対象とした無作為化試験が次のステップに進むと、最高経営責任者のClaire Mazumdar氏はEvaluate Vantageチームに語っている。FDA(米国食品医薬品局)からの回答が待たれるが、この試験は治験として行われる可能性が高く、そのためにはさらなる資金投入が必要になる、と彼女は言う。 「どのような治験であれ、全生存期間(OS)について検出力が必要であり、大規模な試験でなければなりません」と彼女はシカゴで行われたAsco年次総会で語った。「そのような試験を始めるのであれば、十分な資金を得たいのです」 標準治療 キイトルーダは頭頸部がんの標準治療薬である。この抗PD-1抗体は、Keynote-048試験の結果、頭頸部がんの1次治療として承認を取得した。PD-L1発現≧1の患者(Bicara社が注目している対象集団)において、奏効率は19%に達した。 Mazumdar氏によると、メルク社はHPVの状態別にデータを発表したことはないが、HPV陰性患者の奏効率は15-19%程度であり、陽性患者では19-25%の範囲である。 HPV陰性の頭頸部がんは、噛みタバコや喫煙によって誘発される傾向があり、EGFR変異によって誘発されることも多い。このため、HPV陽性に比べて腫瘍の治療抵抗性が強くなる、とMazumdar氏は言う。