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Asco 2021-Olympia試験の全結果はPARP阻害薬に対する疑念を一掃する

[公開日] 2021.06.11[最終更新日] 2021.06.11

※本記事はEvaluate社の許可のもと、オンコロが翻訳したものです。内容および解釈については英語の原文を優先します。正確な内容については原文をお読みください。

 

リムパーザがアジュバント療法の適応で承認される最初のPARP阻害剤となる可能性が、米国臨床腫瘍学会年次集会(ASCO 2021)のレイト・ブレーカー・セッションで明らかになった。 乳がんに対するアジュバント療法としての効果を評価したOlympia試験におけるリムパーザ(一般名:オラパリブ)の成功が十分に意味のあるものであったのかどうかという疑念は、ASCOで一掃されるかもしれない。Olympia試験の全データがASCOのレイトブレーカーで明かされ、同時にNEJM(The New England Journal of Medicine)に掲載されたが、無病生存率(DFS)の成功が確認されただけでなく、初期の全生存曲線においてもはっきりとした差があることが判明した。 リンパーザはすでに生殖細胞系列(g)BRCA1/2変異のある転移性乳がんに対する適応を有するため、Olympia試験の結果は、英アストラゼネカ社/米メルク社の薬剤の適応範囲をより早期に拡大する可能性がある。Olympia試験はgBRCA1/2変異に特化しているため、患者は転移前の手術可能な状態で、早期にこの変異を検査すべきであることを示唆している。 ロンドン大学がん研究所(ICR)のアンドリュー・タット博士は、先週の記者会見でこのデータを発表し、乳がん全体の約5%にgBRCA1/2遺伝子の変異があると述べた。遺伝子検査が十分に行われていない可能性があるため、診断に関しては医師の「意識改革」が必要であるとしている。
Source: adapted from Dr Andrew Tutt & Asco.
Olympia試験は2月、中間審査で主要評価項目である無浸潤疾患生存期間 (iDFS)の閾値を越えたと言われ、早期解析へと進んだ。当時、データは明らかにされていなかったが、試験が見直され、延期されていただけに、この成功は驚きだった(Lynparza's Olympia win could broaden breast cancer use,2021年2月17日)。 今回、タット博士は、プラセボと比較してリムパーザが疾患浸潤のリスクを42%減少させたと発表し、そのp値は0.0001以下と非常に統計的に有意なものだった。それだけではなく、副次評価項目である遠隔転移のDFSもリムパーザによって改善され、ハザード比は0.57(p<0.0001)だった。いずれのエンドポイントも中央値には達していない。 DFSのデータは規制当局を満足させるには十分かもしれないが、処方者にとって重要な問いは、リムパーザが実際に患者の延命を助けるかどうかだ。タット博士は、OS(全生存)曲線が2.5年の追跡期間の中央値で分離しているように見えるという、さらに良いニュースを発表した。 リムパーザとプラセボの死亡数はそれぞれ59人と86人だったが、この差は死亡リスクを32%減少させることにつながった(p=0.02)。タット博士が「統計学的な優位性を宣言するために必要な、統計的な検出力を抑えるための非常に厳しいテスト」と呼んだように、このp値は有意ではなく、今後も追跡調査が続けられる。
Source: Dr Andrew Tutt & Asco.
タット博士は、Olympia試験のデータが診療を変えるとまでは語らなかったが、手術や化学療法、ホルモン療法、放射線療法などの標準的な治療を行った後のアジュバント療法として、1年間、患者に意義のあるベネフィットをもたらすことを示していると述べた。 また、Olympia試験はER陽性かつHER2陰性の患者を対象としていたことも強調する必要がある。この試験は当初、トリプルネガティブのgBRCA1/2変異体を対象としていたが、のちに拡大された。 記者会見の司会を務めたASCO会長のローリー・ピアース氏は、今回の結果がBRCA1/2に関連する他のがん種を対象としたPARP阻害剤のアジュバント試験の道を切り開く可能性があると述べた。 また、これらの結果を受けて、乳がんのアジュバント療法に特化した試験を他のPARP阻害剤も実施するかどうかを検討する必要がある。驚くべきことに、アジュバント療法に関する進行中の企業主導の臨床試験はOlympia試験以外になく、米ファイザー社のTalzenna(タルゼナ、一般名:タラゾパリブ)だけがすでに転移性乳がんの適応を有している。

■出典
Asco 2021 – full Olympia results sweep away Parp doubts

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