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切除不能食道扁平上皮がんに対する化学放射線療法後の維持療法としてのテセントリク+チラゴルマブ、生存ベネフィットを示さず Annals of Oncologyより

[公開日] 2026.09.10[最終更新日] 2026.09.10

2026年8月21日、医学誌「Annals of Oncology」にて、根治的化学放射線療法(dCRT)施行後の切除不能局所進行食道扁平上皮がん(ESCC)を対象に、抗PD-L1抗体テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)+ 抗TIGIT抗体チラゴルマブ併用療法およびテセントリク単独療法をプラセボと比較評価した国際多施設共同第3相臨床試験(SKYSCRAPER-07試験)の結果が公表された。

試験デザイン

対象

dCRT施行後の切除不能局所進行ESCC患者(II期–IVA期および一部のIVB期)

レジメン(治療法)

チラゴルマブ併用群:テセントリク+チラゴルマブを点滴投与(n=257) テセントリク単独群:テセントリク+プラセボを点滴投与(n=250) プラセボ群:プラセボを点滴投与(n=253)

評価項目

主要評価項目: チラゴルマブ併用群 vs プラセボ群における治験医師評価による無増悪生存期間(PFS) チラゴルマブ併用群 vs プラセボ群における全生存期間(OS) テセントリク単独群 vs プラセボ群におけるOS

結果

有効性

追跡期間中央値25.0ヵ月時点における解析結果は以下の通り。 主要評価項目であるPFSは、チラゴルマブ併用群とプラセボ群の比較において、ハザード比が0.82(95%信頼区間:0.65-1.03、p=0.0947)であり、統計学的有意差を示せず、主要評価項目は未達となった。また、OSのハザード比は0.91(95%信頼区間:0.70-1.18、記述的p=0.4772)であった。 テセントリク単独群とプラセボ群の比較において、OSのハザード比は0.69(95%信頼区間:0.52-0.91、記述的p=0.0085)であり、テセントリク単独投与は、プラセボ群と比較してOSの有意な改善を認めた。また、PFSのハザード比は0.74(95%信頼区間:0.58-0.93)であり、テセントリク単独投与による改善が認められた。

安全性

治療関連有害事象(TRAE)の発現率は、チラゴルマブ併用群で74.8%に対してテセントリク単独群で65.2%、プラセボ群で55.4%であった。 治療関連死は、チラゴルマブ併用群で1.2%に対し、テセントリク単独群で0.8%、プラセボ群で1.6%に認められた。

結論

今回の試験において、テセントリク+チラゴルマブ併用療法によるPFSおよびOSの改善は認められず、主要評価項目は達成されなかった。 しかしながら、dCRT後の切除不能ESCCにおいて、テセントリク単独による維持療法がプラセボと比較してPFSおよびOSの臨床的に意義のある改善をもたらすことが示された。 参照元: Atezolizumab with or without tiragolumab in unresectable esophageal squamous cell carcinoma following definitive concurrent chemoradiotherapy (SKYSCRAPER-07): a randomised, phase III study(Ann Oncol 2026 doi: 10.1016/j.annonc.2026.07.413.)
ニュース 食道がん アテゾリズマブチラゴルマブテセントリク扁平上皮がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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