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切除可能非小細胞肺がんに対する周術期オプジーボ併用療法の奏効予測バイオマーカー解析 Natureより

[公開日] 2026.08.25[最終更新日] 2026.08.25

2026年8月12日、学術誌「Nature」にて、切除可能な非小細胞肺がん(NSCLC:II期–III期相当)患者に対する周術期(術前・術後)の抗PD-1抗体オプジーボ(一般名:ニボルマブ)+化学療法併用療法を評価した第3相臨床試験(CheckMate 77T試験;NCT04025879)のバイオマーカー解析結果が公表された。

試験デザイン

対象

CheckMate 77T試験で無作為割り付けされた切除可能非小細胞肺がん患者のうち、評価可能なバイオマーカーデータが得られた190例(オプジーボ併用群で98例、プラセボ併用群で92例;全無作為化患者の41%)

解析手法

循環腫瘍DNA(ctDNA)ダイナミクス: 術前補助療法前、術前補助療法完了後、手術後(術後補助療法開始前)、術後補助療法中の血漿ctDNAおよび分子学的微小残存病変(MRD)の評価。 ゲノム・機械学習解析: ドライバー遺伝子変異(KEAP1, STK11, CDKN2A, SMARCA4)の有無とEFSの相関、および機械学習(Machine Learning)アルゴリズムを用いたEFS長期延長の予測因子抽出。

結果

ctDNAの消失と病理学的完全奏効(pCR)

術前療法前のctDNA検出率は、オプジーボ併用群で85%(83/98例)に対してプラセボ併用群で82%(75/92例)であった。このうち、評価可能症例における術前療法後のctDNA消失率は、オプジーボ併用群で66%(50/76例、うち25例がpCRを達成)に対して、プラセボ併用群で38%(24/64例、うち3例がpCRを達成)であった。 術後療法開始前にはMRD陰性であったものの、術後療法期間中にMRD陽性へと転じた患者は、オプジーボ併用群で8%(4/48例)に対してプラセボ併用群で20%(9/44例)であり、陽性化した全例で画像上の病勢再発が確認された。

遺伝子変異症例における有効性

これまで免疫療法が効きにくいとされてきたKEAP1, STK11, CDKN2A, SMARCA4のいずれかの遺伝子に単独または重複して変異を有する患者群(オプジーボ併用群で60例、プラセボ併用群で45例)において、オプジーボ群は無イベント生存期間(EFS)の延長傾向を示した(ハザード比:0.48、95%信頼区間:0.28-0.83)。

機械学習モデルによるEFS長期延長予測因子の抽出

バイオマーカー解析データを用いた機械学習モデル解析により、長期EFS延長を最も強力に予測する上位因子として、手術前のctDNA消失、Nステータス(リンパ節転移の状態)がN0/N1、pCRの達成、扁平上皮がん、オプジーボ投与が同定された。

結論

今回の結果は、ctDNA/MRDおよびゲノムプロファイリングが周術期免疫療法の治療効果予測・個別化医療の確立に向けた重要なバイオマーカーであることを示している。 参照元: Biomarkers of nivolumab benefit in resectable non-small cell lung cancer(Nature 2026. doi: 10.1038/s41586-026-10925-6.)
ニュース 肺がん オプジーボニボルマブ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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