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食道扁平上皮がんに対するTS-1+アクプラ併用化学放射線療法、照射線量50.4 Gyから60 Gyへの増量の有効性は認められず International Journal of Radiation Oncology, Biology, Physicsより

[公開日] 2026.08.20[最終更新日] 2026.08.20

2026年7月31日、医学誌「International Journal of Radiation Oncology * Biology * Physics」にて、切除不能または再発食道扁平上皮がんを対象に、TS-1+アクプラ(一般名:ネダプラチン)による同時化学放射線療法(CRT)における照射線量(50.4 Gy vs 60 Gy)の有効性を比較検証した国内多施設共同ランダム化第2相臨床試験の結果が日本から公表された。

試験デザイン

対象

手術不能(患者の拒否を含む)、切除不能、または再発の食道扁平上皮がん患者(97例)

レジメン(治療法)

50.4 Gy群:総線量 50.4 Gy(1.8 Gy/日、全28回、5.5週間)を照射 60 Gy群:総線量 60 Gy(2.0 Gy/日、全30回)を照射 いずれの群も、TS-1+アクプラを併用。

評価項目

主要評価項目:無増悪生存期間(PFS) 副次評価項目:局所制御率、全生存期間(OS)、安全性(有害事象)

結果

追跡期間中央値33.2ヵ月時点での結果は以下のとおり。

有効性

3年無増悪生存率は、50.4 Gy群で45%に対して60 Gy群で26%(p = 0.017)であり、50.4 Gy群で統計学的に有意な結果を示した。 また3年累積局所制御率は、50.4 Gy群で65%に対して60 Gy群で46%(p = 0.047)、3年全生存率は50.4 Gy群で73%に対して60 Gy群で42%(p = 0.018)であった。 なお、多変量解析にて主要な共変量を調整した後は、両群間のPFSおよびOSの統計的有意差は消失したが、60 Gyへの増量による上乗せ効果は変わらず認められなかった。

安全性

Grade 3-4の有害事象の発現率は、50.4 Gy群で53%、60 Gy群で51%であり、両群間で同等であった。

結論

今回の結果を受けて、食道扁平上皮がんのCRTにおける照射線量は、50.4 Gyが引き続き標準線量であることが実証された。 参照元: A phase II randomized trial comparing radiation doses in concurrent chemoradiotherapy with TS-1/nedaplatin for curative treatment of newly diagnosed or recurrent esophageal cancer(Int J Radiat Oncol Biol Phys. 2026 doi: 10.1016/j.ijrobp.2026.07.019.)
ニュース 食道がん 同時化学放射線療法食道扁平上皮がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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