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PD-L1高発現の進行非小細胞肺がんにおけるチラゴルマブ+テセントリク、臨床的有効性は限定的

[公開日] 2026.08.07[最終更新日] 2026.08.04

2026年7月27日、医学誌「Journal of Clinical Oncology」にて、PD-L1高発現の進行非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、初回治療としての抗TIGIT抗体チラゴルマブ+抗PD-L1抗体テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)の併用療法とテセントリク単剤療法を比較検証した国際多施設共同ランダム化第3相臨床試験(SKYSCRAPER-01)の最終解析結果が公表された。

試験デザイン

対象

PD-L1高発現の未治療・切除不能局所進行(III期)または遠隔転移(IV期)NSCLC成人患者

レジメン(治療法)

試験群:チラゴルマブ+テセントリク(n=262) 対照群:プラセボ+テセントリク(n=259)

評価項目

主要評価項目:治験責任医師評価による無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)

結果

有効性

追跡期間中央値9.9ヵ月時点において、主要評価項目であるPFSの中央値は、試験群で7.0ヵ月(95%信頼区間:5.6-9.8)に対して対照群で5.6ヵ月(95%信頼区間:4.4-7.0)、ハザード比は0.78(95%信頼区間:0.63-0.97、p= 0.02)であり、事前設定された統計学的有意水準を満たさず、有意差なしと評価された。 追跡期間中央値17.9ヵ月時点におけるOSの中央値は、試験群で23.1ヵ月(95%信頼区間:17.7-28.8)に対して対照群で16.9ヵ月(95%信頼区間:14.6-21.3)、ハザード比は0.87(95%信頼区間:0.7-1.1、p= 0.22)であり、統計的有意な差は認められなかった。

安全性

グレード3-4の有害事象(AE)発現率は、試験群で41.2%(110/267例)に対して対照群で33.8%(89/263例)、治療関連死は試験群で4例に対して対照群で2例に認められた。

結論

チラゴルマブ+テセントリク併用療法は、未治療のPD-L1高発現のNSCLCにおいて、テセントリク単剤と比較して統計的有意なPFS、OSの改善を認めなかった。 参照元: SKYSCRAPER-01: Tiragolumab in Combination With Atezolizumab in Previously Untreated PD-L1-High, Locally Advanced, Unresectable or Metastatic Non-Small Cell Lung Cancer(J Clin Oncol 2026. Doi: 10.1200/JCO-25-02777.)
ニュース 肺がん TIGITチラゴルマブ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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