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日本における臨床病期T4非小細胞肺がんに対する外科切除の長期予後 Annals of Surgical Oncologyより

[公開日] 2026.07.13[最終更新日] 2026.07.08

2026年6月29日、外科学術誌「Annals of Surgical Oncology」にて、臨床病期T4(cT4)の非小細胞肺がん患者を対象に、最新のTNM分類第9版に基づいた外科切除の長期治療成績および予後因子を評価した多施設共同レトロスペクティブ研究の結果が日本(大阪大学呼吸器外科研究グループ:TSSGO)から報告された。

試験デザイン

対象

2010年から2019年の間に、本邦の多施設においてcT4N0-2bM0の非小細胞肺がんに対して肺切除術を施行された患者165例

評価項目

・術後合併症率および90日死亡率 ・R0(完全切除)症例における無再発生存期間(RFS)および全生存期間(OS) ・TNM第9版に基づくcT4サブグループ(腫瘍径のみ、浸潤のみ、またはその両方)およびリンパ節転移状態別の予後比較

結果

解析対象となった165例において、隣接臓器への浸潤を理由にcT4と判断された症例は71例であった。また臨床的リンパ節(cN)の転移状況の内訳は、cN0が97例、cN1が40例、cN2aが21例、cN2bが7例であった。術前療法(化学療法や放射線療法など)の施行例は44例であった。 術後合併症発現率は48%、90日死亡率は2.4%であった。 R0(完全切除)が達成された症例のOSは、R1(顕微鏡的残存)またはR2(肉眼的残存)症例と比較して有意に延長していた。また、R0切除例における5年無再発生存率は43%、5年全生存率は61%であった。 病理学的リンパ節転移の状態別の予後は、pN0-1で5年の無再発生存率は47%、全生存率は63%、pN2a(単一領域のN2リンパ節転移)でそれぞれ28%と48%、pN2b(複数領域のN2リンパ節転移)でそれぞれ17%と50%であった。 多変量解析結果では、RFSの独立した予測因子として「病理学的リンパ節転移の状態」および「術前療法の有無」が同定された。またOSの独立した予測因子としては、「病理学的リンパ節転移の状態」のみが抽出された。 cT4のサブグループ解析では、T4因子として腫瘍の大きさのみ(7cm超)か、隣接臓器への浸潤のみか、あるいはその両方(7cm超かつ浸潤あり)かによって、OSの有意な差は認められなかった。また、cT4cN0-1群と、単一縦隔リンパ節転移を伴うcT4cN2a群との間には、予後に有意な差は見られなかったが、複数縦隔リンパ節転移を伴うcT4cN2b群は、他の群と比較して有意に予後が不良であった。

結論

cT4非小細胞肺がんに対する外科手術は、R0切除(完全切除)が可能である場合に極めて良好な治療成績を達成できる。 腫瘍径7cm超と隣接臓器浸潤の両方のT4因子を併せ持つ症例や、cN2a症例において、外科切除を含む集学的治療を行うことで、臨床的な生存利益をもたらす可能性が示唆された。 参照元: Long-term Outcomes of Surgery for Clinical T4 Non-Small Cell Lung Cancer: Implications for Surgical Decision Making in the TNM 9th Edition Era(Ann Surg Oncol 2026. doi: 10.1245/s10434-026-19961-y.)
ニュース 肺がん 非小細胞肺がん

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