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術後化学療法後のctDNA陽性大腸がんに対するロンサーフによる早期介入、無病生存期間の有意な改善は認められず Nature Medicineより

[公開日] 2026.07.02[最終更新日] 2026.07.02

2026年6月8日、医学誌「Nature Medicine」にて、治癒切除後の大腸がんを対象とした国内最大規模の産学連携プロジェクト「CIRCULATE-Japan」の一環として実施された、第3相ランダム化二重盲検比較試験(ALTAIR)の結果が報告された。 同試験では、標準的な術後補助化学療法の完了後に、画像上の再発はないものの、循環腫瘍DNA(ctDNA)の検査によって「分子学的微小残存病変(MRD)」が陽性(分子学的再発)となった患者に対し、抗悪性腫瘍剤ロンサーフ(一般名:トリフルリジン・チピラシル塩酸塩)による早期治療介入が検討された。

試験デザイン

対象

根治切除(R0手術)を受けた0期、I期、II期、III期、またはIV期の結直腸がん(大腸がん)患者のうち、標準治療としての術後化学療法完了後、ctDNA検査において陽性が確認され、かつ画像診断では再発病変が認められない患者

治療法(レジメン)

試験群: ロンサーフ経口投与(n=122) 対照群:プラセボ経口投与(n=121) いずれも6ヵ月間投与された。

評価項目

主要評価項目:治験医師判定による無病生存期間(DFS) 副次評価項目:安全性など

結果

有効性

2020年7月から2023年6月の間に登録された243例が解析対象であった。 主要評価項目であるDFSの中央値は、試験群で9.30ヵ月に対してプラセボ群で5.55ヵ月であり(ハザード比:0.79、95%信頼区間:0.60-1.05、P=0.107)、試験群で良好な傾向を認めたものの、統計的有意差は示されなかった。

安全性

グレード3以上の血液学的有害事象は、試験群で73.0%に認められ、プラセボ群の3.3%と比較して高頻度であった。 ただし、これまでに認められているロンサーフの既知の安全性プロファイルと一貫しており、新たな安全性の懸念は認められなかった。

結論

CIRCULATE-Japanプラットフォームで実施されたALTAIR試験において、術後化学療法完了後にctDNA陽性(MRD陽性)となり、画像上の再発を認めない大腸がんに対するロンサーフの6ヵ月間の早期介入は、DFSを数値としては延長させたものの、統計学的に有意な改善を示すことはできなかった。 参照元: Post-adjuvant chemotherapy in ctDNA-positive patients with resected colorectal cancer: a randomized phase 3 trial(Nat Med 2026 doi: 10.1038/s41591-026-04428-0.)
ニュース 大腸がん ctDNAトリプルリジン・チピラシルロンサーフ

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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