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再発・難治性多発性骨髄腫に対するテクベイリ単剤療法、標準治療に対し生存期間を延長 The New England Journal of Medicineより

[公開日] 2026.06.17[最終更新日] 2026.06.15

2026年5月29日、医学誌「The New England Journal of Medicine」にて、1-3回の前治療歴(抗CD38モノクローナル抗体およびレナリドミドを含む)を有する再発または難治性の多発性骨髄腫患者を対象に、BCMAおよびCD3を標的とする二重特異性抗体テクベイリ(一般名:テクリスタマブ)単剤療法の有効性と安全性を検証した第3相ランダム化比較試験(MajesTEC-9)の中間解析結果が報告された。

試験デザイン

対象

抗CD38モノクローナル抗体およびレナリドミドを含む1〜3回の前治療歴があり、病勢進行が認められた再発または難治性の多発性骨髄腫患者

治療法(レジメン)

試験群:テクベイリ単剤療法(n=296) 対照群:ポマリドミド+ボルテゾミブ+デキサメタゾン(PVd)療法、またはカルフィルゾミブ+デキサメタゾン(Kd)療法のいずれかを担当医が選択(n=297)

評価項目

主要評価項目:独立中央判定による無増悪生存期間(PFS) 副次評価項目:完全奏効(CR)以上の効果発現割合、全生存期間(OS)、安全性、など

結果

有効性

主要評価項目であるPFSに関して、18ヵ月時点におけるPFS率は、試験群で69.8%に対し対照群では26.9%であった(ハザード比:0.29、95%信頼区間:0.23-0.38、P<0.001)。 また、CR以上の効果が認められた割合は、試験群で65.9%に達したのに対し、対照群では16.8%であった(P<0.001)。 18ヵ月時点におけるOS率は、試験群で79.2%に対して対照群で68.6%であり、試験群で生存期間の改善が示された(ハザード比:0.60、95%信頼区間:0.43-0.83、P=0.002)。

安全性

グレード3または4の有害事象は、試験群で84.9%に対して対照群で76.3%に認められた。またグレード5の有害事象は、それぞれ6.5%、3.5%であった。 サイトカイン放出症候群(CRS)は、試験群の66.0%に認められたが、そのほとんどがグレード1または2であった。また免疫作動細胞関連神経毒性症候群(ICANS)の発現率は4.1%であった。 グレード3または4の感染症の発現率は、試験群で41.6%に対して対照群では29.0%であった。

結論

前治療歴を有する再発または難治性の多発性骨髄腫において、テクベイリ単剤療法は、担当医選択の標準治療群(PVdまたはKd)と比較してPFSおよびOSを大幅に改善した。 なお同論文は、2026年5月29日-6月2日、米国シカゴで開催された米国臨床腫瘍学会(ASCO)と同時にリリースされた。今回の結果は、テクベイリの使用が再発早期へと移行する可能性を示している一方で、安全性の管理や高リスク症例など特定のサブグループに対する効果など、実臨床導入に向けて議論が必要である。 参照元: Teclistamab in Multiple Myeloma with One to Three Previous Lines of Therapy(N Engl J Med. 2026 doi: 10.1056/NEJMoa2603870.)
ニュース 多発性骨髄腫 テクベイリテクリスタマブ

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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