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肺がんの実臨床におけるテセントリク併用療法、高齢者への有効性と安全性を確認 Cancer Scienceより

[公開日] 2026.06.08[最終更新日] 2026.06.01

2026年5月14日、医学誌「Cancer Science」にて、進行非小細胞肺がん(NSCLC)および進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)に対するテセントリク(一般名:アテゾリズマブ)併用療法の有効性と安全性を前向きに評価した観察研究(J-TAIL-2)の結果が日本から報告された。

試験デザイン

対象

標準療法として実臨床でテセントリク併用療法を投与された進行非小細胞肺がん(NSCLC、814例)または進展型小細胞肺がん(ES-SCLC、403例)の患者(計1217例、2023年2月3日時点データ) ※臨床試験の適格基準には含まれない症例も対象であった。

治療法(レジメン)

NSCLCコホート:テセントリクに、①カルボプラチン+ナブパクリタキセル、②カルボプラチン/シスプラチン+ペメトレキセド、③アバスチン(一般名:ベバシズマブ)+カルボプラチン+パクリタキセルのいずれかを併用 ES-SCLCコホート:テセントリク+カルボプラチン+エトポシド

評価項目

主要評価項目:12ヵ月全生存(OS)率 副次評価項目:年齢(70歳未満vs70歳以上)、ECOG PS、G8スコア(高齢者機能評価)、クレアチニンクリアランス等のサブグループ別における安全性および有効性

結果

全体の53.5%が70歳以上、11.8%がECOG PS 2以上、G8スコアの中央値はNSCLCコホートで13に対してES-SCLCコホートで12であった。

有効性

すべての治療レジメンにおいて、70歳未満と70歳以上の症例の間で、生存期間の中央値(mOS)および無増悪生存期間の中央値(mPFS)に明らかな差はみられず、高齢者でも良好な効果が維持されていた。 また、全身状態が良好な群(ECOG PS 0-1かつG8スコアが中央値以上)では、状態が不良な群(PS 2以上かつG8スコアが中央値未満)と比較して、最も高いmOSおよびmPFSを示した。

安全性

70歳以上の高齢患者では、特定のレジメン(ナブパクリタキセル併用、またはペメトレキセド併用)において、グレード3以上の有害事象の発現率が70歳未満の患者よりも高かったが、その他のレジメンにおいては同等であった。 間質性肺疾患(ILD)の発現率は、若年患者と比較して、高齢患者で高い傾向が認められた。

結論

今回の結果から、日本の実臨床におけるテセントリク併用レジメンは、高齢の肺がん患者に対しても有効であり、新たな安全性上の懸念は認められないことが示唆された。 参照元: Atezolizumab + Chemotherapy in Older Patients With Lung Cancer in Japan(Cancer Sci 2026 DOI: 10.1111/cas.70411)
ニュース 肺がん 小細胞肺がん アテゾリズマブテセントリク非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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