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病理学的浸潤を認める非小細胞肺がんに対する区域切除術、肺葉切除術と比較して全生存期間が良好な傾向を示す Journal of Thoracic Oncologyより

[公開日] 2026.06.01[最終更新日] 2026.05.27

2026年5月11日、医学誌「Journal of Thoracic Oncology」にて、2cm以下の早期非小細胞肺がん(NSCLC)に対する肺葉切除と区域切除を比較した第3相試験(JCOG0802/WJOG4607L)の事後追加解析結果が報告された。今回の解析では、病理学的に浸潤性の高い特徴を持つ症例における区域切除の妥当性が検証された。

試験デザイン

対象

臨床病期IA期(腫瘍径2cm以下)のNSCLC患者のうち、術後病理診断で浸潤的特徴(リンパ管浸潤、血管浸潤、胸膜浸潤、リンパ節転移)を1つ以上有していた患者298例(試験登録全体の27%)

治療法(レジメン)

肺葉切除(n=164)または区域切除(n=134)

結果

追跡期間中央値7.1年の解析において、病理学的浸潤所見を有する集団であっても、区域切除群は肺葉切除群に対して全生存期間(OS)が良好な傾向を示した(ハザード比:0.657、95%信頼区間:0.401-1.077、p=0.0936)。 また、他病死(がん以外の原因による死亡)の累積発生率は、肺葉切除群と比較して区域切除群で有意に低かった(ハザード比:0.359、95%信頼区間:0.143-0.900)。 一方で、局所再発の累積発生率については、区域切除群の方が肺葉切除群よりも有意に高かった(ハザード比:2.234、95%信頼区間:1.334-3.741)。 なお、無再発生存期間(RFS)および肺がんによる死亡の累積発生率については、両群間で有意な差は認められなかった。

結論

病理学的浸潤所見(リンパ管・血管浸潤やリンパ節転移など)を有する2cm以下のNSCLCにおいても、区域切除は肺葉切除と比較して良好な全生存期間(OS)を示した。ただし、区域切除後には局所再発のリスクが高まる点については十分に留意し、慎重な経過観察が必要である。 参照元: Segmentectomy versus lobectomy in non-small-cell lung cancer with pathologically invasive features: a post-hoc supplementary analysis of a multicenter, Phase 3 trial JCOG0802/WJOG4607L(J Thorac Oncol 2026 Doi: 10.1016/j.jtho.2026.103916)
ニュース 肺がん 区域切除肺葉切除非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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