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胃がん治療の現在地と、経験者が語る「がんと向き合う」こと

[公開日] 2026.05.22[最終更新日] 2026.05.21

アストラゼネカ株式会社は5月13日、「胃がん疾患啓発セミナー」を開催した。同セミナーでは、国立がん研究センター東病院 胃外科 科長の木下敬弘先生による「胃がん治療の現在地と今後の課題」、そして胃がん経験者である後藤雅宣さんによる「胃がんと向き合って」と題した講演が行われた。後藤さんは千葉大学名誉教授として美術における基礎造形などの領域で教鞭をとられ、現在もデザイン画の創作を続けている。

機能温存と個別化医療が進む、胃がん治療の現在地

胃がんは、部位別罹患数で上位を占めるなど、依然として身近な疾患といえる。胃がんの発生要因の1つにヘリコバクター・ピロリ菌の感染が挙げられるが、木下先生は「除菌によって発がんリスクは下がるものの、ゼロになるわけではない」と指摘する。事実、除菌後に発見される胃がんも少なくないことから、除菌後も定期的な内視鏡検査が極めて重要だという。
木下敬弘先生
木下敬弘先生(提供写真)
胃がんの治療において、手術は大きな転換期を迎えている。近年は開腹手術が減少し、より患者の身体的負担が少ない腹腔鏡手術やロボット支援下手術などの「低侵襲手術」が主流となっている。同時に、胃を全て摘出することによる体重減少やダンピング症状(食後の腹痛や動悸など)といった術後のQOL(生活の質)低下を避けるため、可能な限り胃を残す「機能温存手術」が推奨されている。 さらに、進行した胃がんに対しては手術単独ではなく、術前や術後に薬物療法を組み合わせる集学的治療が重要視されている。木下先生は、「バイオマーカーを調べ、個々の患者の状態に合わせて最適な薬を選択する『個別化医療』が進みつつある」と述べ、手術と最新の薬物療法を組み合わせることで、再発を防ぎ、生存率を向上させる取り組みが日々進められていることを強調した。

医学の進歩を信じ、前を向く――無症状からの宣告を乗り越えて

続いて登壇した後藤雅宣さんは、自身の闘病体験と、そこから得た気づきについて語った。後藤さんは2021年秋、自覚症状が全くない状態で受けた人間ドックの内視鏡検査をきっかけに、ステージ3の胃がんと診断された。当時はがんに対する正しい知識がなく、「あとどれくらい生きられるのか」という猛烈な不安と焦りに襲われ、身辺整理を急いだと振り返る。
後藤雅宣さん
後藤雅宣さん(提供写真)
治療に向かう矢先、さらに心臓の疾患(冠動脈の狭窄)が判明し、心臓のステント手術を優先せざるを得なくなった。胃がんの手術が先延ばしになる不安を抱えながらも、術前化学療法を開始したところ、4クールの投与で腫瘍縮小が認められた。その後、2022年にロボット支援下での手術に臨んだが、再発のリスクを残す可能性への恐怖から、後藤さんは自ら胃全摘を希望した。 胃全摘後は食欲を感じにくくなり、食事はよく噛んで少量ずつ1日5回に分けてとる生活が続いた。また、逆流やダンピング症状に悩まされることもあった。しかし、術後2年を過ぎる頃から徐々に食事をとれるようになり、体重減少も底を打った。現在までに再発や転移もなく、以前の体重にも戻り、スポーツジムでバーベルを持ち上げるまでに体力が回復したという。ライフワークである創作活動にも精力的に取り組んでおり、2026年秋には個展の開催も予定している。 後藤さんは自身の経験を振り返り、「がんの宣告時は『不治の病』という昔の固定観念に縛られていたが、現代のがん治療の進歩は想像をはるかに超えていた」と語る。「巷の不確かな情報に一喜一憂せず、医学の進歩を信じて前を向くことが最良の結果につながると実感している」と、同じ病気と向き合う患者さんたちへ力強いエールを送った。また、早期発見・早期治療のために定期的な検査の重要性を訴え、講演を締めくくった。

胃全摘に至った経緯とSDMの重要性

木下先生と後藤さん(提供画像)
木下先生と後藤さん(提供写真)
講演後の質疑応答では、後藤さんが治療を選択した経緯についても質問が及んだ。後藤さんは、胃全摘が自身の強い希望であったことを改めて明かした。さらに、術後の薬物療法についても「やれることは全部やってほしい」と自ら希望したという。 木下先生は、「薬物療法が非常によく効き、全摘を回避して胃を残せる可能性についても伝えられた上で、後藤さんの場合は『少しでも不確実な要素を残したくない』と全摘を選択された」と補足した。医師が選択肢のメリットとデメリットを提示し、患者が自身の価値観に基づき治療方針を決定した実例として、シェアード・ディシジョン・メイキング(SDM)の重要性が示された 関連リンク: アストラゼネカ株式会社 ウェブサイト
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