大鵬薬品工業株式会社は4月21日、転移性非小細胞肺がんの1次治療を対象とした第III相STAR-121試験について、有効性が認められなかったため試験を中止すると発表した。
同試験は、大鵬薬品、米Arcus Biosciences社、米Gilead Sciences社によって共同で実施されていた無作為化オープンラベル国際共同第III相試験。EGFR遺伝子変異陰性、ALK融合遺伝子陰性およびその他のドライバー遺伝子変異が陰性である転移性非小細胞肺がんの1次治療として、以下の3群を比較評価していた。
- 抗TIGIT抗体domvanalimab+抗PD-1抗体zimberelimab+化学療法併用群
- ペムブロリズマブ+化学療法併用群
- zimberelimab+化学療法併用群
主要評価項目は、PD-L1発現陽性例(腫瘍細胞の1%以上)および無作為化された全症例を対象とした全生存期間(OS)であった。
今回の中止決定は、事前に予定されていた無益性解析のデータに基づく独立データモニタリング委員会(IDMC)の勧告によるものである。同解析では、安全性の評価は行われていないものの、IDMCの定期的なレビューにおいて新たな安全性上の懸念は確認されていない。すでに同試験に参加している患者への今後の対応については、治験責任医師と協議を進めるとしている。
domvanalimabは、免疫細胞のチェックポイント受容体TIGITに結合し、免疫抑制シグナルを阻害するよう設計されたFcサイレント型モノクローナル抗体であり、抗腫瘍免疫応答の増強が期待されている開発中の化合物である。また、zimberelimabはT細胞の抗腫瘍活性を回復させることを目的とした抗PD-1モノクローナル抗体である。これら化合物の併用療法は世界のいずれの規制当局からも承認を取得しておらず、安全性および有効性は確立されていない。
なお、大鵬薬品は2017年にArcus社と締結した契約に基づき、日本とアジア(中国と一部地域を除く)において、domvanalimabやzimberelimabを含む5プログラムを独占的に開発・販売する権利を得ている。
参照元:
大鵬薬品工業株式会社 ニュースリリース