国立成育医療研究センター小児がんセンターと国立がん研究センターは、日本小児がん研究グループ(JCCG)との共同研究として、小児がんに対するがんゲノムプロファイリング検査の有用性を評価する全国規模の多施設共同臨床研究(JCCG-TOP2)を実施。12月16日にその結果を公表した。
がんゲノムプロファイリング検査(CGP検査)はこれまで成人のがんを主な対象として設計されており、小児がんに特徴的な遺伝子変化(特に構造変化)を十分に捉えられないことが課題であった。一方で、「新Todai OncoPanel(TOP2)」は、小児がんの診療に有用な遺伝子を解析対象に含むだけでなく、DNAとRNAを同時に解析することで構造異常の検出力にも優れており、小児がんなどの希少がんにおいて適した検査であることが期待される。
このような背景の中、今回小児がんの診療におけるTOP2の意義を確認し、小児がん診療に実装するために必要な連携体制や人材育成の在り方を検討するために、多施設前向き観察研究が実施された。
同研究において、全国50の医療機関が協力し、204人の小児がん患者さんが解析対象となった。その結果、204人中147人(72%)で診断・予後予測・治療選択のいずれかに役立つ「臨床的に有用な所見」が同定された。特に、診断補助や予後予測につながるゲノム変化が多く検出され、中でも融合遺伝子などの構造異常の寄与が大きかった。また、分子標的薬など治療薬の候補につながる所見が約3割を占めていた。さらに17人(8%)に、がん発症に関わる遺伝的な背景(cancer predisposition)が見つかり、診断や健康管理の参考になる情報となった。

(画像はリリースより)
今回の結果から、小児がん診療において、CGP検査が重要な診断技術であることが確認された。また、研究を通じて整備された、CGP検査と病理診断を組み合わせた小児がんの統合診断の連携体制や、医療従事者のゲノム医療に関する人材育成が重要であることを明らかにした。これらの成果は、小児がんに対するゲノム医療を全国的に提供するための重要な一歩となることが期待される。
なお同研究成果は、日本の学術誌「Cancer Science」に掲載されている。
参照元:
国立成育医療研究センター プレスリリース