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日本人がん患者における化学療法誘発性発熱性好中球減少症の予防を目的としたペグフィルグラスチムの使用、安全で有用な可能性 Supportive Care in Cancerより

[公開日] 2025.12.17[最終更新日] 2025.12.10

2025年11月22日、医学誌『Supportive Care in Cancer』にて、化学療法誘発性発熱性好中球減少症(FN)の予防を目的としたペグフィルグラスチム3.6mgの安全性と有効性に関する日本の実臨床下での市販後調査(PMS)の結果が報告された。

試験デザイン

対象

2015年6月から2017年5月にかけて、化学療法誘発性FNを軽減するための支持療法としてペグフィルグラスチムの初回投与を受けた日本人がん患者(1,597例、うち解析対象は1,479例)

治療法(レジメン)

化学療法終了から24時間以上経過してから3.6mgを単回皮下注射(化学療法のサイクル毎に1回、最大6サイクル)

結果

登録患者の主要な原疾患は、乳がん(51.4%)、非ホジキンリンパ腫(25.6%)、非小細胞肺がん(5.9%)、小細胞肺がん(5.2%)であった。 ペグフィルグラスチムの使用目的は、一次予防が750例、二次予防が727例、また2例においてはFNの治療目的で使用された。 ペグフィルグラスチムとの因果関係が否定できない有害事象は、18.5%に発現が認められ、その主な症状は、背部痛(3.6%)、発熱(3.1%)、関節痛(2.1%)、肝機能異常(1.5%)、筋肉痛(1.4%)、骨痛(1.0%)であった。疼痛(背部痛、骨痛)に関連する症状はいずれも重篤なものではなく、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)で良好に管理された。また、その他の新たな安全性の懸念は特定されなかった。 一次予防群におけるサイクル1のFN発現頻度は全がん患者で5.3%であり、2サイクル目以降で減少傾向が認められた(0.7%-1.7%)。同様に、二次予防群におけるサイクル1のFN頻度は全がん患者で2.5%であり、2サイクル目以降で減少傾向が認められた(0%-2.6%)。また、これらの傾向は、がんの種類に関わらず一貫していた。

結論

今回の市販後調査から、一次予防および二次予防としてのペグフィルグラスチムの使用は、実臨床においてFNの発生率を低減し、新たな安全性の懸念は認められないことが示された。 これは、日本の実臨床におけるペグフィルグラスチムの使用を支持する結果である。 参照元: The safety and effectiveness of pegfilgrastim to reduce cancer chemotherapy-induced febrile neutropenia in real-world practice in Japan: a post-marketing surveillance study(Support Care Cancer 2025 DOI: 10.1007/s00520-025-10042-6.)
ニュース ペグフィルグラスチム発熱性好中球減少症

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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