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日本人進行固形がん患者におけるNeuregulin 1融合遺伝子の疫学的および臨床ゲノム学的特性の大規模調査 Lung Cancerより

[公開日] 2025.12.09[最終更新日] 2025.12.03

2025年11月15日、医学誌『Lung Cancer』にて、日本における進行固形がんの大規模コホートを対象に、Neuregulin 1(NRG1)融合遺伝子の疫学的および臨床ゲノム学的特性を調査した後ろ向き解析の結果が報告された。

解析方法

対象

2019年6月から2025年2月までにがんゲノムプロファイリング(CGP)検査を受け、C-CAT(がんゲノム情報管理センター)データベースに登録された、進行固形がん患者(n=95,149)

評価項目

NRG1融合遺伝子の有病率、融合パートナー、併発するゲノム変異、腫瘍変異負荷(TMB)、マイクロサテライト不安定性(MSI)ステータス、および関連する臨床特性など

結果

解析対象95,149例中29例(0.03%)がNRG1融合遺伝子を保有しており、全体として非常に希少ながんであることが確認された。がん種別に見ると、肺がんでは5,670例中17例にNRG1融合遺伝子が認められ(0.30%)、他の固形がんと比較して有意に高い頻度であった。 遺伝子の融合パートナーは、肺がんではCD74遺伝子が主要であり、NRG1肺がん症例の82.4%を占めていた。その他の固形がんでは、より多様な融合パートナー遺伝子が認められた。 また、NRG1融合遺伝子陽性症例29例中20例(69.0%)で、他の遺伝子変異の併発が検出された。最も頻繁に認められたのは、CDKN2A/CDKN2BおよびMTAPの欠損であった。 NRG1融合遺伝子陽性肺がんの17.6%は、粘液腺がん(Mucinous Adenocarcinoma)であることが、病理組織学的に確認された。

結論

今回の解析は、日本人進行固形がん患者を対象としたNRG1融合遺伝子の最も症例数の多い全国規模の解析であり、NRG1融合遺伝子陽性症例は、全体として非常に稀であるものの、特に肺がんに濃縮して検出されること、および肺がんにおける融合パートナーは、CD74遺伝子であることが分かった。 CDKN2A/CDKN2BおよびMTAP遺伝子異常と併発することは、今後の標的治療戦略を検討する上で新たなターゲットとなる可能性を示唆している。 参照元: Prevalence and molecular landscape of NRG1 fusions in Japanese solid tumors: a nationwide data analysis using the C-CAT database(Lung Cancer. 2025 DOI: 10.1016/j.lungcan.2025.108843.)
ニュース 肺がん NRG1

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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