• 検索
  • お問い合わせ
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 動画
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

筋層浸潤性膀胱がんに対する血中循環腫瘍DNAに基づく術後免疫療法の判断、個別化アプローチとして有用な可能性を示す New England Journal of Medicineより

[公開日] 2025.12.04[最終更新日] 2025.12.01

2025年10月20日、医学誌『New England Journal of Medicine』にて、筋層浸潤性膀胱がん(MIBC)を対象に、血中循環腫瘍DNA(ctDNA)の状態に基づき術後療法を決定するctDNAガイド下の無作為化第3相IMvigor011試験の結果が報告された。

試験デザイン

対象

膀胱全摘術後に画像上病変が認められないMIBC患者

治療法(レジメン)

術後1年間のctDNA検査を逐次的に実施し、以下の通りリスクに応じた治療が実施された。 ① ctDNA陽性が認められた患者(高リスク集団) 試験群:テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)を最長1年間静脈投与(n=167) 対照群:プラセボを最長1年間静脈投与(n=83) ② ctDNA陰性が持続した患者(低リスク集団) 無治療により経過観察(n=357)

評価項目

主要評価項目:治験担当医師の評価による無病生存期間(DFS) 副次評価項目:全生存期間(OS)

結果

有効性

ctDNA陽性の高リスク集団について、主要評価項目であるDFSの中央値は試験群で9.9ヶ月に対して対照群で4.8ヶ月であり、試験群における有意な改善が認められた(ハザード比:0.64、95%信頼区間:0.47-0.87、p=0.005)。 副次評価項目であるOSの中央値は、試験群で32.8ヶ月に対して対照群で21.1ヶ月であり、試験群において有意に延長が認められた(ハザード比:0.59、95%信頼区間:0.39-0.90、p=0.01)。 一方の低リスク集団について、1年間の経過観察期間終了時点でのDFS率が95%、2年時点では88%を示し、極めて良好な予後であった。

安全性

治療介入を行った高リスク集団において、グレード3/4の有害事象は、試験群で28%に対して対照群で22%で発生した。 またそのうち治療関連のグレード3/4の有害事象は、試験群で7%に対して対照群で4%で発生した。 致死的な有害事象は、試験群で3%(うち2%は薬剤関連)、対照群で2%(うち薬剤関連はなし)であった。

結論

MIBC患者において、術後療法としてのテセントリク投与をctDNAの陽性化に基づいて判断するctDNAガイド下治療は、対照群と比較してDFSおよびOSを有意に延長した。この戦略は、術後免疫療法の効果が期待される高リスク患者を特定し、不要な治療負担を避けるための個別化されたアプローチとして有効であることが実証された。 参照元: ctDNA-Guided Adjuvant Atezolizumab in Muscle-Invasive Bladder Cancer(N Engl J Med. 2025 DOI: 10.1056/NEJMoa2511885)
ニュース 膀胱がん ctDNAアテゾリズマブテセントリク筋層浸潤性

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

動画

一覧を見る

体験談

一覧を見る

患者会

一覧を見る