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PTEN欠損を有する転移性ホルモン感受性前立腺がんに対するトルカプ+ザイティガ、無増悪生存期間を有意に改善 Annals of Oncologyより

[公開日] 2025.12.03[最終更新日] 2025.12.01

2025年10月19日、医学誌『Annals of Oncology』にて、PTEN欠損を有する転移性ホルモン感受性前立腺がん(mHSPC)を対象に、AKT阻害薬トルカプ(一般名:カピバセルチブ)とアンドロゲン受容体経路阻害薬ザイティガ(一般名:アビラテロン)の併用療法の有効性と安全性を評価した第3相CAPItello-281試験の結果が報告された。

試験デザイン

対象

PTEN欠損を有するmHSPC患者(診断カットオフ:細胞質内PTENの免疫組織化学染色が陰性のがん細胞が90%以上)

治療法(レジメン)

試験群:トルカプ+ザイティガ+プレドニゾン/プレドニゾロン+アンドロゲン除去療法(ADT)(n=507) 対照群:プラセボ+ザイティガ+プレドニゾン/プレドニゾロン+ADT(n=505)

評価項目

主要評価項目:治験担当医評価による画像的無増悪生存期間(rPFS) 主要な副次評価項目:全生存期間(OS) 探索的解析:PTEN欠損のカットオフ閾値を変えたサブグループ解析(≥95%, ≥99%, 100%)

結果

有効性

主要評価項目であるrPFSの中央値は、試験群で33.2ヶ月に対して対照群で25.7ヶ月であり、試験群で有意な改善が認められた(ハザード比:0.81、95%信頼区間:0.66–0.98、p=0.034)。 中間解析時点でOSデータは未成熟であり、今後も追跡が続けられる予定である(ハザード比:0.90、95%信頼区間:0.71–1.15、p=0.401)。 PTEN欠損のカットオフ閾値を引き上げる(PTEN損失度合いが上がる)と、対照群の成績が徐々に悪化する傾向が見られ、その結果、試験群の治療効果が数値的に大きくなる傾向が示された。

安全性

最も一般的な有害事象(AE)は、下痢(試験群で51.9%に対して対照群で8.0%)、高血糖(38.0%に対して12.9%)、および発疹(35.4%に対して7.0%)であった。 死亡に至ったAE発症割合は、試験群で36例(7.2%)に対して対照群で26例(5.2%)であった。

結論

PTEN欠損mHSPC患者の治療において、ADTとザイティガに対するトルカプの追加は、rPFSを有意に改善した。この結果は、PI3K/AKT経路とAR経路の二重阻害(トルカプ+ザイティガ)が有望な治療戦略であることを支持する結果である。 参照元: Capivasertib plus abiraterone in PTEN-deficient metastatic hormone-sensitive prostate cancer: CAPItello-281 Phase III study(Ann Oncol. 2025 Oct 19:S0923-7534(25)04936-1. doi: 10.1016/j.annonc.2025.10.004.)
ニュース 前立腺がん PTEN欠損カピバセルチブトルカプホルモン感受性

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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