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乳がんに対するイムルリオ等、抗がん剤6製品が二部会を通過 薬事・食品衛生審議会(医薬品第二部会)より

[公開日] 2025.12.02[最終更新日] 2025.11.28

11月27日、厚生労働省薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会が開催された。同部会において、審議事項のうち5製品が、また報告事項のうち1製品が抗がん剤関連であった。

審議品目

イムルリオ錠200mg(イムルネストラントトシル酸塩)

申請企業:イーライリリー 効能・効果: 「ESR1遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能又は再発乳がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品 イムルリオは、経口の選択的エストロゲン受容体(ER)分解薬(Selective estrogen receptor degrader;SERD)である。 ESR1遺伝子変異によってエストロゲン非依存的にERが活性化している場合、従来のアロマターゼ阻害剤などに耐性を示すようになる。しかしながら、イムルリオはERを直接分解するため、ESR1遺伝子変異を有する場合にも効果が期待できる。 なお、日本におけるSERDは、注射薬であるフェソロデックス(一般名:フルベストラント)があるが、経口薬のSERDは国内初となる。

ジニイズ点滴静注500mg(レチファンリマブ(遺伝子組換え))

申請企業:インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン 効能・効果: 「切除不能な進行・再発の肛門管扁平上皮がん」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。 肛門管扁平上皮がんは希少がんのひとつであり、これまで日本において標準療法は確立されておらず、パクリタキセル+カルボプラチン併用療法(TC療法)が使われてきた。 今回承認となるジニイズは、新規の抗PD-1抗体薬であり、TC療法と併用される。

エルゾンリス点滴静注1000μg(タグラキソフスプ(遺伝子組換え))

申請企業:日本新薬 効能・効果: 「芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。 芽球性形質細胞様樹状細胞腫瘍(BPDCN)は、白血病とリンパ腫の両方の性質を持ち、特徴的な皮膚病変とがん細胞のリンパ節や骨髄への浸潤を伴う稀な進行性血液がんであり、国内において承認された治療薬がなく、予後が不良である。 エルゾンリスは、BPDCN細胞に過剰発現しているCD123に特異的に結合してタンパク質合成を阻害し、アポトーシスを誘導することによってBPDCN細胞を死滅させると考えられている。

ミンジュビ点滴静注用200mg(タファシタマブ(遺伝子組換え))

申請企業:インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン 効能・効果: 「再発又は難治性の濾胞性リンパ腫」を対象疾患とする新有効成分含有医薬品。希少疾病用医薬品。 濾胞性リンパ腫は、悪性リンパ腫の一種であり、B細胞ががん化することで発生する。 ミンジュビは、がん化したB細胞の表面に発現しているCD19に対する抗体薬。CD19を標的としてがん細胞に結合し、抗体依存性細胞傷害性(ADCC)やアポトーシスによる免疫系介在性の細胞破壊を誘発すると考えられている。 抗CD20抗体であるリツキサン(一般名:リツキシマブ)と免疫調節薬であるレナリドミドとの併用で使われる。

テセントリク点滴静注1200mg(アテゾリズマブ(遺伝子組換え))

申請企業:中外製薬 効能・効果: 「切除不能な胸腺がん」を対象疾患とする新効能・新用量医薬品。希少疾病用医薬品。 胸腺がんは、Tリンパ球の成熟に重要な役割を果たす胸腺上皮に由来するがんである胸腺上皮性腫瘍のうち、細胞異形を伴うものであり、日本人における年間発症数は10万人あたり0.29人と推定されている。 テセントリクは、抗PD-L1抗体薬のひとつであり、今回の承認は、胸腺がんに対する国内初の免疫チェックポイント阻害剤となる。

報告品目

カルボプラチン注射液50mg「NK」、同注射液150mg「NK」、同注射液450mg「NK」(カルボプラチン)

申請企業:ヴィアトリス・ヘルスケア 効能・効果: 「卵巣がん」を対象疾患とする新投与経路医薬品。 カルボプラチンは、卵巣がんをはじめとする複数のがんに対して承認されているプラチナ系抗がん剤。 今回新しい投与経路が承認となり、現在の点滴静注に加えて、卵巣がんを対象とした腹腔内投与が可能となった。 参照元: 厚生労働省 薬事・食品衛生審議会(薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会)
ニュース 二部会

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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