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日本のアカデミアから誕生した腫瘍溶解性ウイルス「Surv.m-CRA-1」、第3相試験へ:原発性悪性骨腫瘍に対する承認を目指す サーブ・バイオファーマ

[公開日] 2025.11.28[最終更新日] 2025.11.27

サーブ・バイオファーマ株式会社は11月26日、日本独自の次世代腫瘍溶解性アデノウイルス(OV)「Surv.m-CRA-1」の第3相医師主導治験開始に関する記者会見を実施した。 遺伝子治療は多くの疾患に応用されており、そのうち67%ががん治療に使われている。しかしながら、遺伝子治療の実施数を国別に見ると、日本は1.5%にとどまっている(2022年現在)。小戝健一郎先生(鹿児島大学大学院医歯学総合研究科、サーブ・バイオファーマ社創業者)はこの現状を受けて、研究開発から実用化までを日本独自で推進していくことの重要性を指摘した。 このような背景の中、小戝先生らの研究グループは、これまで技術が標準化されてこなかったOV開発に着手。遺伝子が高度に改変された高性能のOVを迅速かつ大量に作製可能なプラットフォーム「m-CRA」技術を確立し、第一弾となる「Surv.m-CRA-1」の独自開発に成功した。 Surv.m-CRA-1は、全がん種で特異的に高発現が認められるサバイビンに反応し、がん細胞でのみ選択的に高い増殖能および殺細胞効果を発揮できるという優れた特徴を持つ。また、既存の薬剤では制御が難しいとされているがん幹細胞への作用も確認されている。更に、がんが悪性化することでサバイビンの発現も上昇することから、がんの進行に伴って治療効果の増強も期待できる、と小戝先生はSurv.m-CRA-1の優位性を強調した。 既に臨床開発も進められており、難治性のがんである悪性骨軟部腫瘍を対象とする単施設第1相試験、原発性悪性骨軟部腫瘍、膵がん、転移性骨腫瘍を対象に多施設共同第2相試験が進められている。そして今年11月、第2相試験で良好な結果が得られた原発性悪性骨腫瘍を対象に、承認取得を目指す第3相医師主導治験「進行性の原発性悪性骨腫瘍を対象としたサバイビン反応性増殖制御型アデノウイルス-1(Surv.m-CRA-1)の反復腫瘍内局所投与の検証試験」の開始に至った。 現在、原発性悪性骨腫瘍に対して承認されている遺伝子治療薬はなく、Surv.m-CRA-1が承認されると、世界初の遺伝子治療薬となることが期待されている。更に、腫瘍溶解性ウイルスとしては、世界で2例目、日本では初めての本承認になる見込みだ(日本では条件付き承認が1例)。 アカデミアが開発した遺伝子治療製品が第3相医師主導治験まで漕ぎつけたのは、日本において今回が初めてであると小戝先生。また同成果は、日本成長戦略会議において、総合経済対策のひとつに掲げられた「創薬・先進医療」の実現に大きく貢献することが期待されると、今回の研究の意義を語った。 参照元: サーブ・バイオファーマ株式会社 ニュース
ニュース 悪性骨腫瘍腫瘍溶解性ウィルス

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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