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ミスマッチ修復機構異常を有する若年子宮体がん患者さんの特徴は? -第63回日本癌治療学会学術集会-
[公開日] 2025.11.21[最終更新日] 2025.11.18
10月16~18日にパシフィコ横浜にて、第63回癌治療学会学術集会が開催された。「領域横断ワークショップ1:がんの大規模ゲノム解析」のセッションにて、「若年子宮体癌患者のミスマッチ修復機構異常の頻度と臨床病理学的特徴」と題して、野村秀高先生(がん研究会有明病院)が講演した。
ミスマッチ修復欠損(dMMR)は、リンチ症候群(LS)の重要なバイオマーカーである一方で、若年の子宮内膜がん(EC)患者(特にアジア人)におけるdMMRの有病率と臨床的特徴に関するデータは限られているのが現状である。
そこで今回、2020年11月から2024年12月までの間に、がん研究会有明病院でECと診断された50歳未満の患者を対象に、前向き観察研究が実施された。4つのMMRタンパク質(MLH1、PMS2、MSH2、MSH6)の発現は、免疫組織化学染色(IHC)によって評価された。また、年齢、組織型、LS関連腫瘍の家族歴、生殖細胞遺伝子検査の結果などの詳細な臨床情報が収集され、分析された。
85例の患者のうち、20例がIHCによるdMMR、残りがミスマッチ修復正常(pMMR)であった。MLH1およびPMS2の喪失が最も頻繁なパターン(10例)であり、続いてMSH2およびMSH6の喪失(5例)とMSH6のみの喪失(5例)が認められた。dMMR症例はpMMR腫瘍と比較してグレード1の割合が有意に低く(p=0.001)、またFIGO stage Iの割合も少なかった(p=0.035)ことから、dMMRであることがより高いグレードと関連していることが示された。
この結果について野村先生は、若年のEC患者の場合、妊孕性がしばしば重要視されるが、dMMRである場合には、発見時に既にグレードが高いことによる妊孕性温存の難しさが問題になる可能性があると指摘した。
また、dMMRの有病率は、一親等の家族にLSの既往歴がある割合は40.7%であったのに対し、LSの家族歴を全く持たない場合の割合は14.9%であった(p=0.025)。野村先生は、家族歴がない患者においてもdMMRが認められたことを受けて、MMR検査を家族歴で制限すべきではないことを強調した。また生殖細胞検査を受けた8例のdMMR症例のうち、5例がLSであると診断された。
今回の結果は、日本の若年EC患者の治療において、IHCによるMMRの検査と包括的な遺伝性疾患の評価を組み込むことを支持し、遺伝カウンセリングと検査へのアクセスを拡大する必要性を示唆していると、野村先生は結論付けた。また最後に、「今の日本においては、LSに対するリスク低減手術が保険適応外ですが、LSと診断された若年患者さんに対する情報提供において重要であると考えられます」とコメントした。
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