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進行非小細胞肺がんにおけるctDNAモニタリングの意義:LC-SCRUM-MRDのデータを使った検討 -第66回日本肺癌学会学術集会-

[公開日] 2025.11.18[最終更新日] 2025.11.14

11月6~8日に東京国際フォーラムにて、第66回日本肺癌学会学術集会が開催された。「ワークショップ1:Liquid Biopsyがもたらす個別化医療の進化」のセッションにて、「ctDNAメチル化解析に基づく新規治療効果予測バイオマーカーの検討:LC-SCRUM-MRD」と題して、北川真吾先生(日本医科大学付属病院)が講演した。 LC-SCRUM-MRDは、治療中の肺がんにおいて血中循環腫瘍DNA(ctDNA)を用いた分子残存病変(MRD)検出の臨床的有用性を評価することを目的とした多施設共同の前向き観察研究である。組織型や病期に応じて6つのコホートに分かれており、今回は進行非小細胞肺がん(NSCLC)を対象としたコホートA4の結果が報告された。 同試験では、治療前、治療開始後8、16、24週目、また病勢増悪後に血液検体が採取され、同時に画像評価と腫瘍マーカーの検査も実施された。ctDNA解析は、Northstar Response(米BillionToOne社)によってメチル化が測定された。 2022年8月から2025年1月までに、同コホートに91例の未治療進行NSCLC(年齢中央値が70歳、男性が64%、腺がんが76%、IV期が78%、EGFR陽性症例が31%)が登録された。治療の種類は、分子標的薬が37%、免疫チェックポイント阻害剤(ICI)が49%であった。 治療前にctDNAが陽性であった症例(71例)は、陰性症例と比較して、無増悪生存期間(PFS)および全生存期間(OS)が有意に短く、ベースラインのctDNA陽性は予後不良因子であった。また、治療中のどこかのタイミング(8-24週)でctDNA陽性となった症例(51例)は、治療中にctDNA陰性を維持した症例と比較して有意にPFSおよびOSが短く、治療中におけるctDNA陽性は、効果不良因子であった(PFSの中央値は、分子標的薬投与例において、MRD陽性群で9.1ヶ月に対して陰性群で21.2ヵ月(p=0.04)、化学療法/ICIの投与例において、陽性群で7.0ヶ月に対して陰性群で15.2ヵ月(p=0.09)であり、治療法別にみてもctDNA陽性群において効果が低いことが示された)。 ctDNAの陽転化(陰性から陽性への変化)のタイミングから画像上の病勢増悪判定までの時間の中央値は57日であり、ctDNA検出の方が画像診断よりも約2ヶ月早く増悪を検出できることが示唆された。 MRDの継時的な変化を解析した結果、治療開始から8週目時点では、MRDが陰転化する症例が39%に対して陽転化する症例は4%、16週目および24週目では、MRD陰転化症例はそれぞれ5%、7%に対して陽転化する症例は19%と16%であった。 今回の結果を受けて、進行NSCLCにおけるctDNAの解析は予後予測因子であるとともに、画像よりも早く病勢増悪を検出できることから、将来的には新規治療介入・治療変更のバイオマーカーにもなることが期待されると、北川先生は将来展望を語った。 関連リンク: 第66回日本肺癌学会学術集会
ニュース 肺がん ctDNA非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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