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早期非小細胞肺がんに対する術前療法としてのオプジーボ+化学療法の長期追跡日本人データ:CheckMate-816試験 -第66回日本肺癌学会学術集会-

[公開日] 2025.11.12[最終更新日] 2025.11.11

11月6~8日に東京国際フォーラムにて、第66回日本肺癌学会学術集会が開催された。「English Outstanding Session」のセッションにて、「Neoadjuvant nivolumab+chemo vs chemo in resectable NSCLC:5y final data of JP subgroup, CheckMate 816」と題して、光冨徹哉先生(和泉市立総合医療センター)が講演した。 第3相CheckMate-816試験は、切除可能非小細胞肺がん(NSCLC)に対する術前療法としてのオプジーボ(一般名:ニボルマブ)+化学療法の効果を、術前化学療法単独と比較評価した試験であり、既に標準治療として確立している。 今回は、5年追跡後の日本人データの結果が報告された。 対象症例は、IB期(≥4 cm)-IIIA期(AJCC v7)、ECOG PS ≤1、既知のEGFR/ALK遺伝子異常なしの切除可能NSCLC患者。全体で358人の症例が登録され、そのうち68人が日本人であった。日本人サブグループは、特にオプジーボ+化学療法群において高齢者の割合、PD-L1≧50%の割合が高く、また両群においてPS良好症例が多い傾向を示した。 データカットオフ(2025年1月23日)時点において、全生存期間(OS)の中央値はオプジーボ+化学療法群で未到達に対して化学療法単独群で76.8ヶ月であり、オプジーボ併用により統計学的有意かつ臨床的に意義のあるOSの改善を示した(ハザード比:0.72)。5年OS率はニボルマブ+化学療法群で75.0%に対して化学療法単独群で64.7%であった。 また無イベント生存期間(EFS)は、オプジーボ+化学療法群で改善傾向を示し(中央値:59.6ヶ月 vs 16.9ヶ月、ハザード比:0.65、95%信頼区間:0.34-1.24)、5年EFS率は43%に対して37%であった。 日本人は全体集団と比較して、後治療への移行率が高く、実施された治療法は、手術、放射線、化学療法や免疫療法であった。 安全性シグナルに関しては、前回までの追跡データと比較して新たな懸念は認められなかった。 今回の長期解析結果を受けて光冨先生は、日本人においても術前オプジーボ+化学療法の使用を支持するデータであると結論付けた。 関連リンク: 第66回日本肺癌学会学術集会
ニュース 肺がん オプジーボニボルマブ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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