• 検索
  • 相談
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 動画
  • 体験談
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

分散型臨床試験のためのシステム構築と実装に向けた日本の取り組み  -第63回日本癌治療学会学術集会-

[公開日] 2025.11.05[最終更新日] 2025.11.18

10月16~18日にパシフィコ横浜にて、第63回日本癌治療学会学術集会が開催された。「領域横断シンポジウム3:治験におけるDX推進とDCT(分散型臨床試験)への取り組み」のセッションにて、「DCT(分散型臨床試験)実装のカギとなる医療DX基盤の構築に向けて」と題して松本繁巳先生(京都大学大学院医学研究科・リアルワールドデータ研究開発講座)が講演した。 日本における創薬力の向上には、臨床試験の効率化が必須であり、治験および臨床試験におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の推進による症例集積や治験手続の簡略化は、今年6月に開催された第43回臨床研究部会でも掲げられている。 DCTの本質は、患者中心の柔軟な臨床試験運用にあり、治験アクセスの効率化やコスト削減、新薬開発の促進によるドラッグラグ・ロスの解消など様々なメリットがある。一方で、まだまだ現場の医療者への負担が大きいのが現状だ。 そこで松本先生らは、株式会社NTTデータが開発した「PhambieLINQ」システムの活用を検討。同システムは、治験プロセスの効率化(治験の計画から患者さんの来院管理を含む)、またeSource(電子的なフォーマットで記録されたデータ)の連携・収集(電子カルテデータの標準化など)を総合的にサポートするものである。今年10月から京都大学病院と四国がんセンターの2施設において、同システムを導入した治験実施を通して、システムの有用性の実証が始まった。 また、京都大学医学部附属病院では、新医療リアルワールドデータ研究機構株式会社(PRiME-R社)と電子カルテデータを構造化する「CyberOncology」というシステムを共同開発し、国内の医療機関および製薬企業とともに、リアルワールドデータ(RWD)構築のためのプロジェクト「J-CONNECT」を実施中。2023年4月に発足し、2025年6月時点で20万件を超えるデータが集まっている。 さらに、このJ-CONNECTでは、日本医療研究開発機構(AMED)の革新的医療技術研究開発推進事業「がん診療の質の向上と研究開発に資するリアルワールドデータプラットフォーム開発(AIMGAIN)」(研究代表者:武藤学先生)のもと、複数のプロジェクトが進行中だ。具体的には、1.CyberOncologyによるRWDの効率的な収集、2.クラウド型中央判定を目指したRECIST自動判定AIの実装、3.臨床検査データの標準化・デジタル化とアーカイブ基盤の構築、4.PhambieLINQによる治験支援業務のデジタルトランスフォーメーション推進とeSource連携が含まれる。 これらの成果は、DCTの実装を支える医療DX基盤として、今後広く応用されることが期待される。 関連リンク: 第63回癌治療学会学術集会
ニュース DCTJSCO分散型臨床試験

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

動画

一覧を見る

体験談

一覧を見る

患者会

一覧を見る