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EGFR変異陽性進行非小細胞肺がんにおけるタグリッソに対する化学療法の追加、生存期間の改善を示す New England Journal of Medicineより

[公開日] 2025.10.24[最終更新日] 2025.10.23

2025年10月17日、医学誌『New England Journal of Medicine』にて、EGFR変異陽性進行非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、タグリッソ(一般名:オシメルチニブ)+化学療法、タグリッソ単剤療法を比較した国際共同第3相FLAURA2試験の、全生存期間(OS)の最終解析結果が報告された。

試験デザイン

対象

EGFR変異(エクソン19欠失またはL858R変異)陽性の進行NSCLC患者で、進行期疾患に対する前治療歴がない患者

治療法(レジメン)

試験群:タグリッソ+プラチナ製剤(シスプラチンまたはカルボプラチン)+ペメトレキセド(n=279) 対照群:タグリッソ単剤療法(n=278)

評価項目

主要評価項目:無増悪生存期間(PFS) 主要な副次評価項目:全生存期間(OS)

結果

同試験において、既にタグリッソと化学療法の併用により、PFSが有意に改善することが示されており、今回はOSの結果が発表された。

有効性

OSの中央値は、試験群で47.5ヶ月に対して対照群で37.6ヶ月であり、化学療法併用により有意な改善が認められた(ハザード比:0.77、95%信頼区間:0.61-0.96、p= 0.02)

安全性

グレード3以上の有害事象の発現割合は、試験群で70%に対して対照群で34%であり、試験群で高い傾向を示した。 またタグリッソ中止に至った有害事象は、試験群で12%に対して対照群で7%に報告された。

結論

EGFR変異陽性進行NSCLCの初回治療において、タグリッソに対する化学療法の併用は、タグリッソ単独療法と比較して全生存期間を有意に延長した。一方で、同併用療法はグレード3以上の有害事象のリスク増加と関連していた。 参照元: Survival with Osimertinib plus Chemotherapy in EGFR-Mutated Advanced NSCLC(N Engl J Med. 2025 DOI: 10.1056/NEJMoa2510308.)
ニュース 肺がん EGFRオシメルチニブタグリッソ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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