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根治切除不能III期非小細胞肺がんに対するイミフィンジ+化学放射線療法、生存期間を改善せず Journal of Clinical Oncologyより

[公開日] 2025.10.21[最終更新日] 2025.10.21

2025年10月13日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、根治切除不能III期非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)を同時化学放射線療法(cCRT)開始時から同時併用することの有効性と安全性を評価した無作為化第3相PACIFIC-2試験の結果が報告された。

試験デザイン

対象

根治切除不能なIII期NSCLC患者

治療法(レジメン)

試験群:イミフィンジ+cCRT(n=219) 対照群:プラセボ+cCRT(n=109) cCRT後に病勢進行がなかった患者は、両群それぞれイミフィンジまたはプラセボを維持療法として継続した

評価項目

主要評価項目:盲検下独立中央判定による無増悪生存期間(PFS) 主要な副次評価項目:客観的奏効率(ORR)、全生存期間(OS)、24ヶ月時点の生存割合(OS24)、および安全性

結果

有効性

主要評価項目であるPFSは、両群で統計学的に有意な差は認められなかった(ハザード比:0.85、95%信頼区間:0.65-1.12、p=0.247)。 また、OSに関しても、両群間で統計学的に有意な差は認められず(ハザード比:1.03、95%信頼区間:0.78-1.39、p=0.823)。24ヶ月OS率は、試験群で58.4%、対照群で59.5%と、ほぼ同等であった。 ORRは試験群で60.7%、対照群で60.6%であり、両群間で有意な差は認められなかった(p=0.976)。

安全性

グレード3/4の有害事象の発生率は、試験群で53.4%に対して対照群で59.3%であった。 間質性肺臓炎/放射線肺臓炎の発生率は、試験群で28.8%に対して対照群で28.7%であり、両群間で同程度であった。 また、有害事象により治療中止に至った割合は、試験群で25.6%に対して対照群で12.0%であり、試験群で高い傾向を示した。

結論

根治切除不能III期NSCLC患者において、cCRT開始時からイミフィンジを併用しても、cCRTのみと比較してPFSやOSの改善にはつながらなかった。 この結果は、cCRT後にイミフィンジによる維持療法を行うことが、引き続き標準治療として妥当であることを示唆している。 参照元: Simultaneous Durvalumab and Platinum-Based Chemoradiotherapy in Unresectable Stage III Non-Small Cell Lung Cancer: The Phase III PACIFIC-2 Study(J Clin Oncol. 2025 DOI: 10.1200/JCO-25-00036.)
ニュース 肺がん イミフィンジデュルバルマブ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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