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PD-L1の発現率50%以上の切除不能局所進行非小細胞肺がんに対する放射線療法を省略したキイトルーダ+化学療法の検討 Lancet Oncologyより

[公開日] 2025.10.17[最終更新日] 2025.10.15

2025年10月10日、医学誌『Lancet Oncology』にて、PD-L1の発現率TPS (Tumor Proportion Score)≧50%の根治切除不能局所進行非小細胞肺がん(NSCLC)を対象に、放射線療法を省略したキイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)+化学療法の有効性と安全性を評価する第2相単群多施設共同Evolution試験(WJOG11819L)の結果が日本から報告された。

試験デザイン

対象

PD-L1 TPS 50%以上の根治切除不能局所進行NSCLC患者

治療法(レジメン)

導入療法としてキイトルーダ+プラチナ製剤ベースの化学療法*→維持療法として最大2年のキイトルーダ+(非扁平上皮がんのみ)ペメトレキセド併用 *非扁平上皮がんにおいては、シスプラチン/カルボプラチン+ペメトレキセド、扁平上皮がんにおいては、シスプラチン/カルボプラチン+nab-パクリタキセルを使用

評価項目

主要評価項目:2年無増悪生存期間(PFS)率 副次評価項目:奏効率、PFS、全生存期間(OS)、安全性、など

結果

2020年5月18日から2022年2月22日の間に、9施設から21例が登録された(年齢中央値が73歳、男性が76%)。追跡期間中央値は32.5ヶ月であった。

有効性

主要評価項目である2年PFS率は67%(90%信頼区間:46–83)であり、有望な結果を示した。 また治療完遂率は、導入療法の時点で18例(86%)、維持療法まで含めると10例(48%)であった。

安全性

多く認められたグレード3以上の有害事象は、好中球減少症(38%)、白血球減少症(19%)、肺炎(14%)であった。また重篤な有害事象は7例(33%)に発生した。 治療関連死は報告されなかった。

結論

本試験の結果は、PD-L1 TPSが50%以上の根治切除不能局所進行NSCLC患者に対する放射線療法非併用のキイトルーダ+化学療法が、実現可能かつ有望な代替治療戦略となることを示唆している。このアプローチは、化学放射線療法の毒性を避けたい患者にとって新たな選択肢を提供する可能性がある。 参照元: Radiotherapy-free pembrolizumab combined with chemotherapy for locally advanced non-small-cell lung cancer with PD-L1 tumour proportion score of 50% or higher (Evolution trial): a multicentre, single-arm, phase 2 study(Lancet Oncol. 2025 DOI: 10.1016/S1470-2045(25)00462-0.)
ニュース 肺がん キイトルーダペムブロリズマブ非小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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