(画像はリリースより)
また、調査4年間の動向として、各自治体において市区町村による助成と都道府県による助成を併用して活用できるケースも増えてきている。
ウィッグ・乳房補整具の助成金額の上限については、「1.5~2万円」の層が依然として最多ながら、「2.5~3万円」以上の層が大きく増加し、助成の上限額が全体的に引き上げられている傾向が認められた。これは、制度設計の見直しや物価高対応などを背景に、助成金額の増額対応が進んでいる可能性を示唆している。
また、以前は助成対象を「ウィッグのみ」に限定していた自治体が、新たに「乳房補整具」を追加しているケースも見られた。自治体によっては「毛髪・乳房に限らず、欠損した部分を補うためのエピテーゼ」「ウィッグ等のレンタル費用(多くの自治体は購入費用が対象)」「フローズングローブ・フローズンソックス(抗がん剤治療中に使われる冷却用の手袋と靴下)」など、助成対象を充実させたり、柔軟に設定したりする取り組みも見られた。
一方で、助成制度自体がない自治体もあり、受けられる支援に地域差が生じているのが現状である。このような地域格差をなくすため、2022年度の初回調査後に、同法人は有志との連名で厚生労働省に陳情を行った。
同法人は、「全国どの自治体でもなんらかのアピアランスケア助成が受けられるようになるまで、一定の時間を要するものと見込まれますが、当法人としては継続的に発信を行っていきたいと考えています」としている。
なお、今回の調査では、実施自治体における具体的な申請者数や子どもの利用状況といった詳細データまでは把握することができていない。この点に関しては、2025年8~9月にかけて、全国の小児がん経験者とそのご家族を対象とした「子どものアピアランスケア意識調査」を実施中である。
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