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再発・転移性頭頸部がんに対する光免疫療法とキイトルーダの併用療法、有望な有効性と安全性を示す 楽天メディカル
[公開日] 2025.09.22[最終更新日] 2025.09.22
楽天メディカル株式会社は9月19日、同社が開発したASP-1929を用いたアルミノックス治療(光免疫療法)と、抗PD-1抗体薬キイトルーダ(一般名:ペムブロリズマブ)の併用療法を再発・転移性頭頸部がんを対象に評価した第Ib/II相臨床試験の結果が、医学誌「Head & Neck」に掲載されたと発表した。
論文で報告されたのは、19例の患者が登録された非盲検第Ib/II相試験(ASP-1929-181試験)の中間評価結果である。治療を受けた18例を対象とした有効性の解析では、全生存期間(OS)の中央値は25.6ヵ月(95% CI: 14.6–未達)であった。
有効性に関する詳細な結果として、全奏効率(ORR)は27.8%、そのうち完全奏効(CR)は22.2%であった。また、病勢コントロール率(DCR)は61.1%を示した。なお、CRを示したすべての患者において、その効果は16カ月以上にわたり持続しており、データカットオフ時点でも継続中であった。
安全性は、治療を受けた全19例で評価され、主な有害事象は疲労(57.9%)、口腔内痛(52.6%)、便秘(36.8%)であった。重篤な有害事象は約63.2%の患者に認められ、主なものは嚥下障害と舌浮腫(各10.5%)だった。同治療が直接の原因となった死亡例はなく、全体の安全性プロファイルは、ASP-1929光免疫療法およびキイトルーダの過去の試験結果と一致していた。
また、探索的バイオマーカー解析では、治療を行った部位の生検において、がんを攻撃する免疫細胞であるCD8陽性T細胞の増加と、薬剤の標的であるEGFRの発現低下が確認された。
論文の筆頭著者である米トーマス・ジェファーソン大学のDavid M. Cognetti氏は、「再発または転移性の頭頸部扁平上皮がんに対する治療選択肢は限られていることを踏まえると、本試験結果は意義深いものです。光免疫療法とペムブロリズマブの併用療法により、持続的な奏効に加え、2年以上のOS中央値が得られたことは、標準治療が適さない患者さんにも予後の改善が期待できる治療選択肢を提示できる可能性があります」と述べている。
これらの結果に基づき、楽天メディカルは再発頭頸部扁平上皮がんに対する一次治療として同併用療法を評価する国際共同第III相臨床試験(ASP-1929-381試験)を開始している。この試験は米国、台湾、日本で患者登録が進行中であり、今後は東ヨーロッパにも拡大する予定。同社は、この第Ⅲ相試験の結果をもとに、早ければ2028年にも米国での承認申請を目指すとしている。
参照元:
楽天メディカル株式会社 プレスリリース
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