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進展型小細胞肺がんに対する維持療法としてのイムデトラの有効性と安全性を検討した第1b相試験 The Lancet Oncologyより

[公開日] 2025.09.17[最終更新日] 2025.09.16

2025年9月8日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、進展型小細胞肺がん(ES-SCLC)を対象に、DLL3(デルタ様リガンド3)を標的とするBiTE(二重特異性T細胞誘導)分子製剤であるイムデトラ(一般名:タルラタマブ)と、抗PD-L1抗体薬を併用する維持療法の安全性と有効性を評価した、第1b相多施設非無作為化DeLLphi-303試験の結果が報告された。

試験デザイン

対象

プラチナベースの化学療法+抗PD-L1抗体薬併用療法を4-6サイクル実施後、病勢進行がなかった18歳以上のES-SCLC患者

治療法(レジメン)

維持療法として、イムデトラ(2週間に1回静脈内投与)+テセントリクまたはイミフィンジ(4週間に1回静脈内投与)

評価項目

主要評価項目:用量制限毒性、治療中に発現した有害事象(TEAEs)など(第2相試験での推奨用量または最大耐用量の決定) 副次評価項目:全生存期間(OS)

結果

今回の報告は、OSと長期安全性に関する中間解析の結果である。

有効性

標準療法である化学免疫療法開始からイムデトラによる維持療法開始までの期間の中央値は3.6ヶ月、維持療法開始からの追跡期間の中央値は18.4ヶ月であり、イムデトラ投与期間の中央値は35週間であった。 全生存期間(OS)の中央値は25.3ヶ月(95%信頼区間:20.3-未到達)であった。

安全性

グレード3-4の有害事象は、最も一般的だったのは、低ナトリウム血症(10%)、貧血(8%)、好中球減少症(7%)であった。 重篤な有害事象(SAEs)は患者の57%(88例中50例)に発生した。また、最も一般的だったSAEsは、サイトカイン放出症候群(24%)、発熱(7%)、免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(5%)、肺炎(5%)であった。 治療関連有害事象による死亡症例は認められなかった。

結論

イムデトラは既に、前治療歴のあるSCLCにおいて、生存期間の改善を示していたが、今回初回治療の維持療法として、初めて良好な全生存期間の中央値を示した。 一方で、サイトカイン放出症候群などの重篤な有害事象に注意が必要であり、その安全性プロファイルは管理可能であることが示唆された。 参照元: Safety and activity of tarlatamab in combination with a PD-L1 inhibitor as first-line maintenance therapy after chemo-immunotherapy in patients with extensive-stage small-cell lung cancer (DeLLphi-303)(The Lancet Oncol. 2025 DOI: 10.1016/S1470-2045(25)00480-2)
ニュース 小細胞肺がん イムデトラ二重特異性抗体進展型小細胞肺がん

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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