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術後S-1療法後の再発膵臓がんに対するFOLFIRINOXとゲムシタビン+ナブパクリタキセルの転帰の比較 Pancreatologyより

[公開日] 2025.09.16[最終更新日] 2025.09.12

2025年8月30日、医学誌『Pancreatology』にて、S-1術後化学療法後に早期再発した膵がんを対象に、FOLFIRINOX療法とゲムシタビン+ナブパクリタキセル(GnP療法)の有効性を比較した後ろ向き多施設共同研究の結果が報告された。

試験デザイン

対象

2013年12月から2018年までの間に、S-1の最終投与から6ヶ月以内に再発した膵がん患者(治療中の再発を含む)

治療法(レジメン)

FOLFIRINOX(5-フルオロウラシル、ロイコボリン、イリノテカン、オキサリプラチンの併用)またはGnP(ゲムシタビン+ナブパクリタキセル)のいずれかの治療を実施

評価項目

主要評価項目:全生存期間(OS) 副次評価項目:無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、および重篤な有害事象(SAEs) 両群間の潜在的な交絡因子を減らすため、傾向スコアマッチング(PSM)解析が実施された。

結果

日本の32施設から合計284例が登録され、PSM解析により、各群43例ずつがマッチングされ比較された(ただし、PSM後も一部の患者特性には依然として不均衡が残った)。

有効性

主要評価項目であるOSの中央値は、GnP群で14.5ヶ月に対してFOLFIRINOX群で11.1ヶ月であり、GnP群で有意な改善が認められた(ハザード比:0.61、95%信頼区間:0.38-0.97)。 PFSの中央値は、GnP群で7.1ヶ月に対してFOLFIRINOX群で5.1ヶ月であり、GnP群で延長傾向が見られたが、統計学的な有意差は認められなかった(ハザード比:0.65、95%信頼区間:0.41-1.02)。 またORRは、GnP群で20%に対してFOLFIRINOX群で19%であった。

安全性

重篤な有害事象(SAEs)の発生率は、GnP群で14%、FOLFIRINOX群で19%であった。

結論

今回の後ろ向き解析から、S-1補助化学療法後に早期再発した膵がんにおいて、GnP療法がFOLFIRINOX療法と比較してOSの改善と関連していることが示唆された。 この結果は、この患者集団に対する二次治療選択を検討する上で重要な情報である。 参照元: Outcomes of FOLFIRINOX versus gemcitabine plus nab-paclitaxel in patients with early recurrent pancreatic cancer after adjuvant S-1 treatment: A propensity score-matched analysis(Pancreatology . 2025 DOI: 10.1016/j.pan.2025.08.017.)
ニュース 膵臓がん GnP療法ゲムシタビンナブパクリタキセル

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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