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難治性転移性大腸がんに対するロンサーフ+アバスチン併用療法の用量漸増の検討 ESMO Openより

[公開日] 2025.09.10[最終更新日] 2025.09.09

2025年8月28日、医学誌『ESMO Open』にて、難治性転移性大腸がん(mCRC)に対するロンサーフ(一般名:トリフルリジン・チピラシル)とアバスチン(一般名:ベバシズマブ)の用量漸増を評価した多施設共同単群第2相E-BiTS試験の結果が日本から報告された。

試験デザイン

対象

標準治療に抵抗性を示した転移性結腸直腸がん患者

治療法(レジメン)

ロンサーフ+アバスチンの隔週投与 (ロンサーフは、35mg/m²を1日2回投与から開始し、2-4サイクル目において10mg/日ずつ、最大30mg/日まで漸増可)

評価項目

主要評価項目:病勢コントロール率(DCR) 副次評価項目:無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)、奏効率(RR)、安全性など

結果

有効性

有効性解析には34例(年齢の中央値は65歳、76%がECOG PS 0、56%がRAS遺伝子変異陽性、79%が2つ以上の臓器転移あり)が含まれ、追跡期間中央値は18.0ヶ月であった。 用量漸増は、試験登録患者の91%で可能であった。 主要評価項目であるDCRは72.7%(80%信頼区間:60.4-82.8%)、また、副次評価項目であるPFSの中央値は5.6ヶ月、OSの中央値は17.6ヶ月であり、過去の固定用量投与と比較して良好な結果を示した。 特に、サイクル1-4で2段階以上の増量を達成した患者は、達成できなかった症例と比較してOSが有意に改善した(OSの中央値:未到達vs9.8ヶ月)。 また、治療期間中にグレード2以上の好中球減少症を経験した患者は経験しなかった症例と比較して、有意に良好なアウトカムを示した(PFSの中央値:7.0ヶ月vs2.3ヶ月、OSの中央値:未到達vs10.6ヶ月)。

安全性

血液毒性は管理可能であり、発熱性好中球減少症の発症は認められず、治療に関連する重篤な有害事象は3件で発生した。 全グレードの好中球減少症は74%、グレード3以上は24%であった。用量漸増期に増量可能だった患者においては、全グレードの好中球減少症は61%、グレード3以上は0%であった。

結論

難治性転移性大腸がん患者に対するロンサーフ+アバスチンの隔週投与レジメンにおいて、患者ごとの用量漸増は実現可能で忍容性が高く、有効性を高める可能性が示された。 参照元: A phase II study of intrapatient dose escalation of biweekly trifluridine/tipiracil plus bevacizumab for colorectal cancer (E-BiTS study)(ESMO Open. 2025 DOI: 10.1016/j.esmoop.2025.105571)
ニュース 大腸がん アバスチントリプルリジン・チピラシルベバシズマブロンサーフ

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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