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日本人女性の乳がん・婦人科がん診断後の離職リスクを大規模コホートで解析 JAMA Network Openより

[公開日] 2025.09.08[最終更新日] 2025.09.08

2025年8月25日、医学誌『JAMA Network Open』にて、日本人の就労女性におけるがん診断と退職の関係を評価した大規模コホート研究の結果が報告された。

試験デザイン

対象

2017年4月から2023年3月までの間に、乳がん、子宮頸がん、子宮体がん、または卵巣がんと新たに診断された女性患者 (1:10の比率で、がん非罹患就労女性とマッチングし比較)

治療法(レジメン)

評価項目

主要評価項目:全原因による退職 副次評価項目:退職と死亡の複合アウトカム

結果

研究には、がん患者99,964名と、対照群999,640名が含まれた。 いずれも2年間の追跡期間中に評価された。

有効性

追跡調査中、がん患者の離職率は対照群と比較して有意に高かった。 がん種毎に見ると、乳がんでは10,820人(18.2%)に対して97,892人(16.5%)、ハザード比は1.18(95%信頼区間:1.16-1.20)、子宮頸がんでは3,296人(22.4%)に対して27,476人(18.7%)、ハザード比は1.31(95%信頼区間:1.26-1.36)、子宮体がんでは3,161人(18.7%)に対して27,786人(16.4%)、ハザード比は1.24(95%信頼区間:1.19-1.29)、卵巣がんでは2,004人(22.6%)に対して15,847人(17.9%)、ハザード比は1.44(95%信頼区間:1.37-1.51)であった。 また、退職と死亡の複合アウトカムについても、すべてのがんコホートにおいてがん患者におけるリスクの増加が見られ、特に卵巣がんが最も高いリスクを示した(ハザード比は1.81)。 すべてのがんコホートに共通した退職リスク要因として、年齢が高いこと、収入が低いこと、うつ病の既往歴があることが同定された。

安全性

結論

日本全国の健康保険データベースを使った今回の研究により、乳がんおよび婦人科がんの診断が、就労女性の離職リスク上昇と関連していることが明らかになった。がん診断後に特に離職リスクが高い女性を特定し、対象を絞った支援介入策を開発することの重要性を示唆している。 参照元: Resignation in Working Women With Breast and Gynecologic Cancers(JAMA Netw Open. 2025 DOI:10.1001/jamanetworkopen.2025.28844.)
ニュース 乳がん 子宮体がん 子宮頸がん 仕事(就労)

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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