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【論文】乳がん患者の化学療法誘発悪心・嘔吐に対する標準制吐療法+オランザピン併用療法、良好な予防効果を示す The Lancet Oncologyより

[公開日] 2025.07.07[最終更新日] 2025.07.03

2025年6月12日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、乳がん患者の化学療法誘発性悪心・嘔吐に対する標準制吐療法とオランザピン5mg併用の有効性・安全性を評価したプラセボ対照二重盲検ランダム化第3相試験(jRCT1031200134)の結果が日本から報告された。

試験デザイン

対象

アントラサイクリンおよびシクロホスファミドベースの化学療法を受ける予定であり、化学療法未経験、または中等度から高度の催吐性化学療法を受けたことがないI-III期乳がん

治療法(レジメン)

試験群:標準的な3剤併用制吐療法+オランザピン5mgを化学療法後に自宅で経口投与(n=251) 対照群:標準的な3剤併用制吐療法+プラセボを化学療法後に自宅で経口投与(n=249)

評価項目

化学療法後120時間以内の完全奏効率(悪心・嘔吐がなく、救済治療不要)

結果

有効性

追跡期間の中央値168時間において、480人(試験群246人、対照群234人)が少なくとも1回の試験薬を投与し、有効性解析の対象となった。主要評価項目である完全奏効率において、試験群は58.1%(143/246)を達成し、プラセボ群の35.5%(83/234)と比較して有意な改善を示した(完全奏効率の差=22.7%;95%信頼区間:14.0-31.4%、p<0.0001)。

安全性

最も頻繁に報告された重度または非常に重度の症状(PRO-CTCAEバージョン1.0に基づく)は、両群においてそれぞれ食欲不振(13%対38%)と便秘(12%対16%)であった。重度または極めて重度の集中力低下は、試験群で10%、対照群で14%であった。また治療関連のグレード3-4の有害事象は、両群においてそれぞれ傾眠(2%対0%)および集中力低下(1%対0%)であった。死亡例は両群において認められなかった。

結論

乳がん患者がアントラサイクリンおよびシクロホスファミドをベースとした化学療法を受ける際、オランザピン5mgを標準的な制吐療法に上乗せすることで、化学療法誘発性悪心・嘔吐のコントロールが有意に改善され、かつその安全性プロファイルは臨床的に許容可能であることが明らかになった。 参照元: Overall efficacy and safety of olanzapine 5 mg added to triplet antiemetics for an anthracycline-containing regimen in patients with breast cancer: a phase 3, double-blind, randomised, placebo-controlled trial(Lancet Oncol. 2025 DOI: 10.1016/S1470-2045(25)00233-5.)
ニュース 乳がん オランザピン制吐剤

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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