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アンドロゲン受容体阻害薬後に進行した転移性去勢抵抗性前立腺がんに対するカボメティクス+テセントリク、無増悪生存期間を有意に改善 The Lancet Oncologyより

[公開日] 2025.07.03[最終更新日] 2025.06.26

2025年6月18日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、アンドロゲン受容体阻害薬後に進行した骨盤外軟部組織転移を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん(mCRPC)に対するチロシンキナーゼ阻害薬カボメティクス(一般名:カボザンチニブ)+抗PD-L1阻害薬テセントリク(一般名:アテゾリズマブ)併用療法の有効性、安全性を検証した第3相CONTACT-02試験(NCT04446117)の結果がHuntsman Cancer Institute at the University of UtahのNeeraj Agarwal氏らにより公表された。 CONTACT-02試験は、アンドロゲン受容体阻害薬による治療後に病勢進行した骨盤外軟部組織転移を有するmCRPC患者に対して、1日1回カボメティクス40mg+3週を1サイクルとしてテセントリク1200mgを投与する群と、1日1回ザイティガ(一般名:アビラテロン)1000mg+1日2回プレドニゾン5mg併用療法もしくは1日1回イクスタンジ(一般名:エンザルタミド)160mgを投与する群(アンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群)に1:1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)を比較検証した試験である。 本試験の期間は2020年8月20日-2023年6月7日であり、575人の患者が登録され、内訳はカボメティクス+テセントリク併用群で289人、アンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群で286人である。本試験の結果、主要評価項目であるPFSの中央値は、カボメティクス+テセントリク併用群で6.3ヶ月(95%信頼区間:6.2–8.8ヶ月)に対してアンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群で4.2ヶ月(95%信頼区間:3.7–5.7ヶ月)と、カボメティクス+テセントリク併用群で病勢進行または死亡のリスクを35%(ハザード比:0.65、95%信頼区間:0.50–0.84、P=0.0007)統計学的有意に改善した。 もう1つの主要評価項目であるOSの中央値は、カボメティクス+テセントリク併用群で14.8ヶ月(95%信頼区間:13.4–16.7ヶ月)に対してアンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群で15.0ヶ月(95%信頼区間:13.0–18.5ヶ月)、カボメティクス+テセントリク併用群で死亡のリスクを11%改善したが、統計学的有意な差は確認されなかった(ハザード比:0.89、95%信頼区間:0.72–1.10、p=0.30)。 一方の安全性として、グレード3-4の原因を問わない有害事象発症率は、カボメティクス+テセントリク併用群で56%を示し、主なものとしては高血圧(8%)と貧血(8%)であり、一方のアンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群では26%を示し、主なものとしては貧血(6%)であった。治療に関連する重篤な有害事象は、カボメティクス+テセントリク併用群では16%、アンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群では4%に発生した。カボメティクス+テセントリク併用群で最もよくみられたのは下痢(2%)、アンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群で最もよくみられたのはアラニンアミノトランスフェラーゼ上昇(1%)であった。 有害事象により、カボメティクス+テセントリク併用群では284名中49名(17%)、アンドロゲン受容体阻害薬スイッチ群では284名中42名(15%)が治療を中止したが、治療関連死亡は認められなかった。 以上のCONTACT-02試験の結果よりNeeraj Agarwal氏らは、「アンドロゲン受容体シグナル伝達を直接標的としない薬剤の組み合わせであるカボメティクス+テセントリクは、アンドロゲン受容体阻害薬で進行したmCRPCの患者にとって有用な治療選択肢となる可能性があります」と結論付けた。 参照元: Cabozantinib plus atezolizumab in metastatic prostate cancer (CONTACT-02): final analyses from a phase 3, open-label, randomised trial(The Lancet Oncology. 2025 Doi:10.1016/S1470-2045(25)00209-8)
ニュース 前立腺がん アテゾリズマブカボザンチニブカボメティクステセントリク去勢抵抗性

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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