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【論文】術前療法後にリンパ節転移陰性となった乳がんでは領域リンパ節照射(RNI)を省略できる可能性 New England Journal of Medicineより

[公開日] 2025.06.30[最終更新日] 2025.06.23

2025年6月5日、医学誌『New England Journal of Medicine』にて、生検で腋窩リンパ節転移陽性と診断された乳がん患者で、術前化学療法後に病理学的腋窩リンパ節陰性(ypN0)となった症例における領域リンパ節照射(RNI)の有効性を検証した臨床試験(NCT01872975)の結果が報告された。

試験デザイン

対象

臨床病期T1-T3、N1、M0、生検で腋窩リンパ節転移陽性と診断された乳がん患者(術前化学療法後にypN0となった症例)

治療法(レジメン)

試験群:領域リンパ節照射あり(n=772) 対照群:領域リンパ節照射なし(n=784)

評価項目

主要評価項目:浸潤性乳がん再発までの期間 副次評価項目:局所再発までの期間、遠隔転移再発までの期間、無病生存期間、全生存期間など

結果

追跡期間中央値59.5ヶ月時点での結果は以下の通り。

有効性

主要評価項目である浸潤性乳がん再発までの期間において、領域リンパ節照射群と非照射群との間に有意な差は認められなかった(ハザード比:0.88、95%信頼区間:0.60-1.28、p = 0.51)。また、領域リンパ節照射により、局所再発までの期間、遠隔転移再発までの期間、無病生存期間、全生存期間の改善は認められなかった。

安全性

プロトコールで規定された治療に関連する死亡例は報告されず、予期せぬ有害事象も認められなかった。またグレード4の有害事象は、照射群で0.5%、非照射群で0.1%に発生した。

結論

術前化学療法後に腋窩リンパ節転移が陰性となった乳がん患者において、領域リンパ節照射の追加は、浸潤性乳がん再発または乳がんによる死亡のリスクを減少させないことが明らかになった。 参照元: Omitting Regional Nodal Irradiation after Response to Neoadjuvant Chemotherapy(N Engl J Med. 2025 DOI: 10.1056/NEJMoa2414859)
ニュース 乳がん 放射線

浅野理沙

東京大学薬学部→東京大学大学院薬学系研究科(修士)→京都大学大学院医学研究科(博士)→ポスドクを経て、製薬企業のメディカルに転職。2022年7月からオンコロに参加。医科学博士。オンコロジーをメインに、取材・コンテンツ作成を担当。

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