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再発難治性多発性骨髄腫に対するポマリドミド+デキサメタゾンとの併用療法としてのサークリサの皮下注射と静脈投与の比較 Journal of Clinical Oncologyより
[公開日] 2025.06.24[最終更新日] 2025.06.24
2025年6月3日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて再発難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対する抗CD38モノクローナル抗体サークリサ(一般名:イサツキシマブ)の皮下注射(SC)もしくは静脈注射(IV)+ポマリドミド+デキサメタゾン併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のIRAKLIA試験(NCT05405166)の結果がMayo ClinicのSikander Ailawadhi氏らにより公表された。
IRAKLIA試験は、RRMM患者に対してサークリサ1400mgをサイクル1は週1回、その後は隔週でオンボディインジェクター(OBI)を使った皮下注射+1-21日目にポマリドミド4mg/日+週1回デキサメタゾン40mg(75歳以上は20mg)併用療法を実施する群(N=263人)、もしくはサークリサ10mg/kgをサイクル1は週1回、その後は隔週で静脈投与+1-21日目にポマリドミド4mg/日+週1回デキサメタゾン40mg(75歳以上は20mg)併用療法を実施する群(N=268人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として奏効率(ORR;非劣性マージン 0.839)、サークリサの最低血中濃度(非劣性マージン 0.8)を比較検証した試験である。
本試験のフォローアップ期間中央値12ヶ月時点における結果、主要評価項目であるORRは、皮下注射群で71.1%に対して静脈投与群で70.5%(相対リスク:1.008、95%信頼区間:0.903–1.126)を示した。サークリサの最低血中濃度の平均値(標準偏差)は皮下注射群で499(259)μg/mLに対して静脈投与群で340(169)μg/mL(幾何平均比:1.532、90%信頼区間:1.316–1.784)を示した。ORRと最低血中濃度のいずれにおいても、信頼区間の下限値が非劣性マージンを超えた。
グレード3以上の有害事象(AE)発症率は、皮下注射群で81.7%に対して静脈投与で群76.1%を示した。インフュージョンリアクション発症率はそれぞれ1.5%に対して25.0%を示した。皮下注射による注射部位反応は0.4%で発生したが、すべてグレード1-2であり、皮下注射群の99.9%は中断することなく完了した。
以上のIRAKLIA試験の結果よりSikander Ailawadhi氏らは「サークリサの有効性と薬物動態の観点において、皮下注射と静脈投与の非劣性が示されました。また、皮下注射ではインフュージョンリアクション発症率が低く、その他の忍容性は静脈投与と同等であり、皮下注射の有用性を支持するものです」と結論付けた。
参照元:
Isatuximab Subcutaneous by On-Body Delivery System vs Isatuximab Intravenous Plus Pomalidomide and Dexamethasone in Relapsed/Refractory Multiple Myeloma: Phase 3 IRAKLIA Study(J Clin Oncol. 2025 Jun 3:101200JCO2500744. doi: 10.1200/JCO-25-00744)
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