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ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤治療歴のある再発難治性慢性リンパ性白血病/小リンパ球性リンパ腫に対するジャイパーカ、無増悪生存期間を改善 Journal of Clinical Oncologyより
[公開日] 2025.06.23[最終更新日] 2025.06.16
2025年6月5日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤治療歴のある再発難治性(rr)慢性リンパ性白血病(CLL)/小リンパ球性リンパ腫(SLL)に対する非共有結合性ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤(BTKi)であるジャイパーカ(一般名:ピルトブルチニブ)単剤療法と、トレアキシン(一般名:ベンダムスチン)/イデラリシブ+リツキサン(一般名:リツキシマブ)併用療法の有効性、安全性を比較検証した第3相のBRUIN CLL-321試験の結果がWillamette Valley Cancer Institute and Research CenterのJeff P. Sharman氏らにより公表された。
BRUIN CLL-321試験は、BTK阻害剤による治療歴のあるrrCLL/SLL患者に対して、1日1回ジャイパーカ200mg単剤を投与する群(N=119人)、もしくは治験医師選択の治療法(トレアキシン/イデラリシブ+リツキサン)を投与する群(N=119人)に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として独立評価委員会による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目として次治療までの期間または死亡までの期間(TTNT)、全生存期間(OS)、安全性を比較検証した第3試験である。
本試験の結果、主要評価項目であるPFSの中央値は、ジャイパーカ群で14.0ヶ月(95%信頼区間:11.2-16.6ヶ月)に対して治験医師選択の治療群で8.7ヶ月(95%信頼区間:8.1-10.4ヶ月)を示し、ジャイパーカ群で病勢進行または死亡のリスクを46%改善した(ハザード比:0.54、95%信頼区間:0.39-0.75、p=0.0002)。
また副次評価項目であるTTNTの中央値は、ジャイパーカ群で24.0ヶ月(95%信頼区間:17.8-29.7ヶ月)に対して治験医師選択の治療群で10.9ヶ月(95%信頼区間:8.7-12.5ヶ月)を示した。
一方の安全性として、治験薬投与中に発現したグレード3以上の有害事象(AE)は、ジャイパーカ群で57.7%に対して治験医師選択の治療群で73.4%、有害事象のよる治療中止率は17.2%に対して34.9%を示した。
以上のBRUIN CLL-321試験の結果よりJeff P. Sharman氏らは、「BTK阻害剤の治療歴を有するrrCLL/SLLにおいて、ジャイパーカ単剤療法はトレアキシン/イデラリシブ+リツキサン併用療法と比較して、PFSおよびTTNTの改善を示し、良好な忍容性が認められました」と結論付けた。
参照元:
Phase III Trial of Pirtobrutinib Versus Idelalisib/Rituximab or Bendamustine/Rituximab in Covalent Bruton Tyrosine Kinase Inhibitor–Pretreated Chronic Lymphocytic Leukemia/Small Lymphocytic Lymphoma (BRUIN CLL-321)(Journal of Clinical Oncology 2025 doi:10.1200/JCO-25-00166)
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