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早期肛門がんに対する低線量強度変調放射線治療、良好な忍容性と奏効率を示す The Lancet Oncologyより
[公開日] 2025.05.30[最終更新日] 2025.05.28
2025年5月4日、医学誌『The Lancet Oncology』にて、早期肛門がん(T1–2、N0–NxM0)に対する低線量の強度変調放射線治療(rd-IMRT:41.4Gy、23分割)と、標準的な強度変調放射線治療(sd-IMRT:50.4Gy、28分割)を比較検証した第2相のPLATO-ACT4試験(ISRCTN88455282)の結果がLeeds Institute of Medical Research at St James'sのAlexandra Gilbert氏らより公表された。
PLATO-ACT4試験は、早期肛門がん患者に対して、rd-IMRT+マイトマイシン+カペシタビン併用療法を実施する群(N=105人)、sd-IMRT+マイトマイシン+カペシタビン併用療法を実施する群(N=55人)に2:1で無作為に振り分け、主要評価項目として3年局所再発率、副次評価項目として完全奏効率(CR)、患者報告のQOL(EORTC QLQ-C30、ANL27)、安全性を比較検証した前向き、多施設共同、非盲検化試験である。
本試験は、2017年4月24日~2020年12月1日の期間で、英国の28の医療機関より163人の患者が登録され、160人が解析対象となった。本試験に登録された患者の背景は、年齢中央値が66歳(58–72歳)、性別は女性が117人(73%)、男性が43人(27%)であった。
6ヶ月時点での完全奏効率は、rd-IMRT群で92%(N=89/97人)に対してsd-IMRT群で87%(N=46/53人)を示した。放射線療法の治療中止率は、rd-IMRT群で15%に対してsd-IMRT群で26%、化学療法の変更は37%に対して49%を示した。
グレード3以上の有害事象(AE)発症率は、放射線皮膚炎がrd-IMRT群で10%に対してsd-IMRT群で13%、下痢が9%に対して7%、重篤な有害事象(SAE)発症率は10%に対して15%を示した。
以上のPLATO-ACT4試験の結果よりAlexandra Gilbert氏らは、「早期肛門がん患者に対するrd-IMRTは、良好な忍容性と抗腫瘍効果を示すことが示唆されました。本試験の主要評価項目である3年局所再発率の結果が待たれます」と結論付けた。
参照元:
Standard versus reduced-dose chemoradiotherapy in anal cancer (PLATO-ACT4): short-term results of a phase 2 randomised controlled trial(Lancet Oncol . 2025 May 2:S1470-2045(25)00213-X.)
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