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進行性膵臓がんに対するゲムシタビン+ナブパクリタキセル+トシリズマブ、生存率と悪液質を改善する可能性 Journal of Clinical Oncologyより

[公開日] 2025.05.22[最終更新日] 2025.05.22

2025年5月12日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて、進行性膵臓がんに対するゲムシタビン+ナブパクリタキセル±ヒト化抗ヒトIL-6受容体モノクローナル抗体であるトシリズマブ併用療法の有効性、安全性を検証した第2相試験(NCT02767557)の結果がCopenhagen University HospitalのInna M. Chen氏らにより公表された。 本試験は、進行性膵臓がん患者に対して、28日を1サイクルとして1,8,15日目にゲムシタビン1000mg/m2+ナブパクリタキセル125mg/m2+1日目にトシリズマブ8mg/kg併用療法を実施する群、もしくは28日を1サイクルとして1,8,15日目にゲムシタビン1000mg/m2+ナブパクリタキセル125mg/m2併用療法を実施する群に1対1の割合で無作為に振り分け、主要評価項目として6ヶ月時点での全生存率(OS率)、副次評価項目として無増悪生存期間(PFS)、客観的奏効率(ORR)、安全性を比較検証した試験である。 本試験の追跡期間中央値8.1ヶ月時点における結果、主要評価項目である6ヶ月OS率は、トシリズマブ併用群で68.6%(95%信頼区間:56.3%-78.1%)に対して、トシリズマブ非併用群で62.0%(95%信頼区間:49.6%-72.1%)を示した(P=0.409)。18ヶ月時点でのOS率は、トシリズマブ併用群で27.1%に対してトシリズマブ非併用群で7.0%であり、改善傾向が認められた(P=0.001)。OS、PFS、ORRに関しては、両群で統計学的有意な差は確認されなかった。 グレード3以上の治療関連有害事象(TRAE)発症率は、トシリズマブ併用群で88.1%に対してトシリズマブ非併用群で63.4%を示した(P<0.001)。筋力低下の発症率は、2ヶ月時点でトシリズマブ併用群で43.48%に対してトシリズマブ非併用群で73.52%(P=0.0045)、4ヶ月時点では41.82%に対して68.75%(P=0.0062)を示した。 以上の結果よりInna M. Chen氏らは、「進行性膵がんに対するゲムシタビン+ナブパクリタキセル+トシリズマブ併用療法は、主要評価項目である6ヶ月時点でのOS率を改善しませんでしたが、18ヶ月時点でのOS率および筋力低下の発症率を改善し、悪液質抑制効果を持つことを示唆しています」と結論付けた。 参照元: Randomized Phase II Study of Nab-Paclitaxel and Gemcitabine With or Without Tocilizumab as First-Line Treatment in Advanced Pancreatic Cancer: Survival and Cachexia(Journal of Clinical Oncology 2025 doi: 10.1200/JCO.23.01965)
ニュース 膵臓がん トシリズマブ

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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