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ドキソルビシンベースの初回化学療法後の進行性非脂肪軟部肉腫に対する維持療法としてのスチバーガ、無増悪生存期間を有意に改善 Annals of Oncologyより

[公開日] 2025.05.13[最終更新日] 2025.05.08

この記事の3つのポイント ・ドキソルビシンベースの初回化学療法後の進行性非脂肪軟部肉腫を対象とした第2相のEREMISS試験 ・維持療法としてのマルチキナーゼ阻害薬スチバーガの有効性・安全性を検討 ・スチバーガによる維持療法により、無増悪生存期間を有意に改善
2025年4月8日、医学誌『Annals of Oncology』にて、ドキソルビシンベースの初回化学療法後の進行性非脂肪系軟部肉腫(NASTS)に対する維持療法としてのマルチキナーゼ阻害薬スチバーガ(一般名:レゴラフェニブ)単剤療法の有効性、安全性を比較検証した第2相のEREMISS試験(NCT03793361)の結果がLille University and Department of Medical OncologyのN. PENEL氏らにより公表された。 EREMISS試験は、ドキソルビシンベースの初回化学療法を6サイクル実施後、病勢安定(SD)もしくは部分奏効(PR)が確認された進行性NASTS患者(N=126人)に対して、維持療法として1日1回スチバーガ120mg単剤を3週間投与(その後1週間休薬)する群、もしくはプラセボを投与する群に無作為に振り分け、主要評価項目として盲検中央判定(BCR)による無増悪生存期間(PFS)を比較検証した無作為化二重盲検プラセボ対照の第2相試験である。 本試験に登録された126人の患者背景は、年齢中央値が58歳(範囲:18-85歳)、性別は女性が55%、組織型は平滑筋肉腫(leiomyosarcoma)が59%であった。 本試験の結果、主要評価項目であるPFSの中央値は、スチバーガ単剤群で5.6ヶ月に対してプラセボ単剤群で3.5ヶ月と、スチバーガ単剤群で病勢進行または死亡のリスクが47%減少した(ハザード比:0.53,95%信頼区間:0.36-0.78,P=0.001)。その他の評価項目である全生存期間(OS)中央値は、スチバーガ単剤群で27.6ヶ月に対してプラセボ単剤群で20.5ヶ月と、スチバーガ単剤群で病勢進行または死亡のリスクが22%減少した(ハザード比:0.78,95%信頼区間:0.50-1.22,P=0.28)が、統計学的有意な差は確認されなかった。 一方の安全性として、グレード3以上の有害事象(AE)発症率は、スチバーガ単剤群で56.3%に対してプラセボ単剤群で4.8%を示した。スチバーガ群で多く確認されたグレード3以上のAEは、全身倦怠感(9%)、高血圧(8%)、発疹(8%)であった。 以上のEREMISS試験の結果よりN. PENEL氏らは、「この試験は主要目的を達成し、進行性NASTSに対する一次治療後のスチバーガ維持療法による病勢進行の有意な改善が認められましたが、一方の全生存率に関しては、統計的有意な改善は認められませんでした」と結論付けた。 参照元: Regorafenib as maintenance therapy after first-line doxorubicin-based chemotherapy in advanced non-adipocytic soft tissue sarcomas patients: a double-blind randomised trial(Annals of Oncology 2025 DOI: 10.1016/j.annonc.2025.03.024)
ニュース 肉腫 スチバーガレゴラフェニブ軟部肉腫

山田創

製薬会社、オンコロジーメディアの運営を経て、フリーのメディカルライターへ転身。Twitterアカウント「@So_Yamada_」

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